【SS】ウインターワンダーボーイ | Happy Ending Syndrome

Happy Ending Syndrome

終わりよければすべてよし。

 
アフター・スターマイン
番外編 in 高校時代

::ウインターワンダーボーイ

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「吾妻くんだったらさー、彼女に何あげる?」
「……は?」

授業と授業の合間の10分間休憩中。なんだかつま先がひりひりして、だれか教室に床暖房つけてくれないかなあ……なんて思いながら私が口にした一言に、隣の席の彼が不可解そうに眉根を寄せてみせました。

「クリスマスプレゼント。何あげたい?」
「俺彼女いませんけど」
「もしいたとしたら、だよ」

きみに彼女がいないことなんぞ、言われなくてもわかっております。安心なさい!

にこりと笑って諭すようにそう言ってやれば、吾妻くんの眉間のしわがさらに深くなり、――ぷい、と視線をそらされてしまいました。

「別に何も」
「えーなにそれつまんない」
「つまんなくて結構。面白いの求めてるなら、俺じゃなくて山部たちに聞けば?」

鞄の中から次の授業の教材を取り出して、とんとん、と丁寧に机の上に並べていく、几帳面な吾妻くん。そんな彼の筋張った手をじいっと見つめながら。

なぜか、その手が一生懸命マフラーを編んでいるところを想像してしまった。
編み目が気に入らなければ何度だってほどいて、納得のいくまでやり直しそうな、その手を。

(はは、吾妻くんの手編みマフラーなんて、そんなの……)



  萌 え ち ゃ う 。



「マフラー!」
「は?」
「マフラーがいいよ!手編みのマフラーにしなよ吾妻くん!」
「はあ!?」

いいねぇギャップ萌えだねぇ、と興奮気味の私に、若干引き気味の吾妻くん。
そんなことはお構いなしに、乙女の妄想は膨らみます。

「それでね、寒そうな彼女の首にさりげなく巻きながら、『……メリークリスマス』なんて囁いちゃったりね!うっわキザ!吾妻くんキザすぎる!」
「……」

どうやら吾妻くんもそんな自分を想像してしまったらしく。
何も言わずに教科書の角で攻撃してきた彼がなんだか可愛いらしくて、思わず笑みがこぼれました。

「もしかして吾妻くん、編み物できたりする?」
「ばっ……できるわけねーだろ!」



さてさて。吾妻サンタは、未来の彼女に一体何をあげるのでしょう?



-END…?-

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一足先に、メリークリスマス★