翌日
勇気がないのと、彼が死んだことを忘れたい思いで普通に仕事に行きました。普通の状態で仕事はできないものの、時間だけは過ぎました。
今思っても記憶にない。
翌々日のお通夜。
行きたくない気持ちと、行った方が良いと思う気持ち。
迷って迷って、息子とお通夜が始まる前に行きました。
会場に着くと、親族の方や、会社関係の人に謝られました。
「こんなことになってごめんなさい」と。
そして、
息子に対して「ごめんね」って。
会場に着くと、明らかに彼の葬儀みたいになっていた。
出口に名前。
写真。
本当に彼が死んだようだ。
彼のお父さんと共に、息子の手を強く握って棺桶まで歩いた。
彼の顔を見るのに、
勇気を振り絞った。
よしっ!と思って見たら、
「誰?
え、誰これ??」
彼は頭蓋骨が割れたらしく、顔が変わっていた。
流れていた涙が引いた。
誰?
これ。
家族も、
身の回りのもの彼のものだけど
顔違うやーん!!!
なんかわけわからん。
こんな時に笑ってしまった。
「これ〇〇くん?」
息子に聞いてしまった。
息子は無言。
…
言葉にならない。
涙しか出てこない。
お通夜の記憶。
棺桶に寝る彼と。
息子の手の温もり。
私は小さな手を力強く握っていた。