中学生で軟式テニス部に入部してから、結婚して妊娠するまでずっとテニスを続けていた私
短大生の頃だけテニスから離れていたが
社会人になってからは、会社のテニス部で活動していたが、ひょんなことから、近所のテニスコートで活動していたおじさまYさんと知り合いになり、その方のサークルに入ってテニスをするようになった
車いすテニスクラブ
Yさんは、仕事中の事故で下半身が不自由になってしまった
もともとテニスをしていた訳ではなく、車いす生活になってからテニスを始められた
車いすテニスはツーバウンドまでオッケー！
器用に車いすを動かして、フットワーク？よく動いてとっても上手だった
サークルには他にも2人、車いすの方がいらっしゃって、健常者の方も多くいらっしゃった
週に1、2回練習日があって、時々遠方のテニスコートまで車で出かけた
私はペーパードライバーだから、毎回Yさんが迎えに来てくださって車に乗せていただいていた
足が使えないから、ブレーキ、アクセルは手で操作できるように改造した車で、お金がかかっているらしい
車から降りる時は、車いすをドアの外に起き、上手く乗り換える
誰の手も借りずに
運転も、何の問題もなく
健常者と何も変わらずだ
あちこちで練習したり、試合に出場したり
Yさんにはお世話になりっぱなしだったが、とても楽しく、有意義に活動していた
妊娠し、出産してからは、ずっと休んでいたが、年賀状など、連絡は取り合っていた
娘が2歳くらいの時、旦那に娘をお願いして、久しぶりに練習に参加したら、娘がグズグズ言うのを旦那が上手く相手出来なくて、練習していた近所のテニスコートに旦那が娘を連れてやってきた
娘は、おかあさーんと泣いている
そんな姿を見せられると、テニスどころではない
中断して帰ると
何で帰ってきたん？
気にせず、続けていたらいいのに！
と、旦那が言う
いやいや！
連れてこられて泣かれたら帰るしか無いやん！
ほんの１、２時間なのに
我が子なのに
何で泣かれたら諦めるん！？
上手く遊んであげられないの？！
産まれてからずーっと娘とべったり2人でいて、自分の時間も無い中で、やっと好きなテニスを再開できて、息抜きできると思ったのに、断念せざるを得ない残念さ
妻のために頑張ろうとしない旦那へのイライラを今でもよく覚えている
また、子供が大きくなったら参加させて下さいと、それ以来、テニスから離れてしまい、Yさんとも会う機会がなくなっていった
娘が小学生になってから、私はPTAのママさんバレーボールチームに入部した
土曜日の午後から練習があり、私は娘を連れて練習に参加した
そこには、みんなも子供を連れてくるし、友達もたくさんいて遊べるから、私も安心してスポーツができた
バレーボールが楽しくて、テニスは全くしなくなっていた
それから5.6年後になるだろうか
ある日、一通のハガキが届いた
生前中はお世話になりました
みたいな内容のハガキだった
Yさんが亡くなられた事を知らせる訃報だった
知らなかった
具合が悪かった事も、亡くなられた事も
悲しかった
たくさんお世話になっておきながら、何のお礼もできていない
Yさんと出会えて
車いすテニスの事を知って
色んな仲間と出会えて
嬉しかった気持ち
貴重な体験が出来たこと
大変お世話になって、良くして頂いて
ありがたい気持ち
色んな感謝の気持ちを
私は何にも伝えられていない
亡くなられた
だから
もう、会えないから
仕方ないと
それだけで終われなかった
住所から家を探し、お供えの品を持って
挨拶に伺った
玄関先での挨拶だったが
奥様に、お世話になったお礼をどうしても伝えたくて、突然で非常識かもしれませんが・・・と
Yさんへの感謝の気持ちを伝える事が出来た
私の勝手な自己満足でしかないかもしれないが
Yさんとお別れする事が出来たような気がした
出会いと別れ
貴重な思い出