「小さくなあれ〜、小さくなあれ。」
子どもの誕生日にかけていた言葉です。
4年ぶりに鎧兜を飾りました。パタリと飾らなくなっていました。

「お願い!1回でいいから小さくなって。」
とも言っていました。

本気で嫌がられて、口にしなくなりましたが
いつも心で思っていました。

それは日本人のDNAに秘められた
小さきもの、可愛いものを愛でる心
の現れだと思っていました。

かの清少納言も、小さきもの=うつくしきもの
(かわいいもの)とおっしゃっているでは
ありませんか。日本にしかないカワイイ文化万歳。
弓矢は右に、刀の柄は下に。平安の世を現しているそうです。

ただいま!と帰ってくる子どもを
一番に迎えるのはいつも義母でした。
待ち構えていたかのように
部屋から飛び出して来るのです。

その姿を見なくてもいいように
仕事を見つけ、
習い事をし、
家にいなくなりました。

お帰りって言ってあげたかったな。
学校であったこといちばんに聞いてあげたかった。
玄関で抱きしめてあげたかった。
家で待つ人になりたかった。
小さなあなた達をもっといっぱい見ていたかった。
小さなあなた達、大集合。

泣きながら手放しました。
後から後から泣けてきます。

「小さくなあれ。」は
かわいいあなた達を
もう一度育てたいっていう私の願いでした。

子育て真っ最中なのに、
またあなた達を育てたいって思っていたとは。

ごめんね。
「大きくならないで、小さくなって。」なんて。
ずっと母の無邪気な戯言だと思ってたところも
たちが悪いね。

今のあなた達が大好きなのに。

「それいいね!」が白魔術の言葉なら
「小さくなあれ」は?


少し考えて、

子どもたちが小さかった10年前、
「小さくなあれ」は
私の心を落ち着かせるための
やはり白い魔法だったと思います。

私の大きな不安や迷いや悩みやごめんねを
小さくさせてくれた魔法の言葉。
ドス黒い思いが湧いても
心を白く綺麗に保とうと必死だった。

同居生活16年よくがんばりました私。

それすら自分に言ってあげてなかったことにも
気づいてまた泣けて、

よくやったよくやった
えらかったえらかった

初めて自分に言ってあげました。

私の母が
「あなたは一緒に住んでるだけで100点よ。」
とよく言ってくれましたが、

上手くできてもいないのに
どこが100点なんだろうと
全然ピンときていませんでした。

ぬいぐるみを抱きしめて、
「よくがんばったね。100点だったね。」
初めて自分にそう言って、
たくさんのぬいぐるみを手放しました。


同居解消して4年も経っています。
手放すのに20年もかかったことこそ笑い話。

孫への愛がたっぷりの
私の両親が贈ってくれた立派な兜が誇らしいです。

「子どもたちよ、大きくなあれ、大きくなあれ。」

今は心からそう言えます。

長々とお付き合いくださって
ありがとうございました。


happy new life👋