彼の人(中学男子)が、
産まれて初めて履いた
ファーストシューズは、

何回もの玄関、靴箱の片付けを経ても
鎮座ましまして候。


絶賛反抗期、なのか。

「あの言い方なんなん!」
「ムッキーーー!腹立つ!」

と思っても、

たたきを水拭きし、

靴箱に風を通し、

オブジェか?と見まごうような
でっかいスニーカーの隣りに、

色褪せたこのファーストシューズが
コロンと転がっていると

優しい目になる。

靴箱から出して、並べてみる。


全長27.5センチと12.5センチ。


「なんだ、そっか。」

と、たいした反抗期でもないような気がする。




捨てられないものが
あってよかったね。





よかったことも
悪かったことも
抱きしめて、手放して、
今ここにある時間が
優しさで満たされますように。