同居を解消したら、
当たり前ですが、
同居問題が消滅しました。
まるで嘘のように。
最初の1〜2ヶ月は、実はまだ居たりして、と
「ただいま〜」
とおそるおそる口にするチキンっぷりでした。
家に誰もいない。
家に私ひとりだけ。
リビングのソファを占領されていない。
義母が何時間も座ってテレビを見ていない!
真新しいソファに座り、
リビングに差し込む光が柔らかく優しくて
涙が流れたことを覚えています。
ソファに一人寝そべって
誰かの気配を感じて、
慌てて起きなくてもいい。
テレビの代わりに音楽を。
何も音のしない静かな時間を。
自分の人生に必要と思えることを
暮らしの中に自由に取り入れることが
こんなに気持ちいいことなのか。
ただ好きなことを好きな時間に
誰にも邪魔されることなく
できるだけで「私は自由!」と
ひとりごちてみたり。
流れで晩ごはんを外で食べることに
なった時、
義母にことわりの電話を入れないで
いいこと。
義母へのお土産を考えないでいいこと。
少しくらい遅くなっても
誰にも気兼ねなんてしないでいいこと。
40を過ぎた大人が、毎日、毎朝、
今日はどこに行き、
誰と会い、
何時に帰り、
晩ごはんは何を作るって
聞かれないですむこと。
私の自由は笑えるくらい小さなこと。
自由を手に入れる切符は
同居をしなくてもいいという選択肢が
この世にあることを知ることでした。
大げさでなく。
本当に思いつかなかった。
自分がやらなくちゃと思いこんでいた。
「やりたくないことをやらない」
という選択肢を思いつけない悲劇。
喜劇かも。
思いついても
そんなことはできない、
したらいけない、
って16年間も思ってた。
愛すべきおバカさん。
