「大丈夫だよ、お母さん。
俺ワクワクしながらザクザク稼ぐから。」
ニヤリと笑って中学男子が言った言葉を
時々、思い出小箱から取り出して
慈しみ、また大事にしまいます。
勉強しなさいと
こどもには言いませんでした。
「勉強しろしろ!」
「いい大学に入れ!」
団塊世代の親父様にずっとそう言われて
育ってきたからです。
でも学ぶことは楽しいこと。
知識を広げることは人生が豊かになること。
勉強勉強じゃなく、
のびのびと学生生活を送ってほしい。
このことを言い過ぎたら、中学男子に
「それもう聞き飽きた。」
と言われました
ウッソ!私同じことやってた?
反面教師だと思っていたのに?
中学男子は学ぶことが好きです。
塾に嬉々として通います。
行かなくてもよい、と言いましたが
通わせてほしい、と懇願されました。
「今日の英語マジやばかった」
「今日の数学楽しみすぎる!」
「あの先生の教え方好き」
「マジでめっっちゃ楽しい!」
毎回興奮気味です。
サッカー少年がいつでもボールを
触っているように、頭を動かしています。
部活でドロドロで帰って来て、
5分でシャワーを浴びて
塾に向かう車でおにぎりを食べ
みっちり勉強してきます。
ふだん喋らないのに
塾の帰りは能弁です。
それを聞きたくて送迎しています。
いつかこの送迎を懐かしく思い出したい。
勉強しなさいと言ったことがないと
誇らしく言いながら、
成績優秀だと嬉しい。
矛盾だらけの親稼業です。
鍛えられた細くてタフな身体。
タイトなスケジュールもクールにこなす。
素直な笑顔。
親バカ万歳。
