はしっこが好きでした。
輪の中心は苦手で
いつもはしっこを選んでいました。
心地よかったからです。
グループにいる安心感という甘露の魅力と
おひとりさまを楽しめる私という
これもまた甘露の魅力をにぎりしめ
欲張りに、はしっこを守っていました。
はしっこには、一目おかれるという能力が
必要です。それを持ち合わせていると
大切に扱われます。
大目に見てもらえます。
ここではないどこか
あなたではない誰か
を相手が自分の中に見ていると知る時
もしくは自分がそうだと決めた時
はしっこの私は静かに脱出を始めます。
音もなきフェイドアウトが
もっとうですが、
うまくいかない場合もあります。
はしっこには、
自分が大切に取り扱われなくなること
が耐えられません。
はしっこのくせに、はしっこらしさを
求められると腹を立てます。
はしっこは、「自分が選んでいる」という
矜持があるからこそ成り立っているのです。
ひとりが好き、家族さえいればいいと
嘯いて、孤独の時間を堪能し、
寂しくなったらまた
恥ずかしげもなく人を求めます。
今日のこころトレ。
「ひとりが好き、は本当のようで嘘である」
