転勤で遠くに住んでる叔父が久しぶりに出張で
東京に来るとかで母さんにあなたも帰って来な
さいと言われ仕事の帰り久しぶりに実家へと歩
いていた。


神社の階段の下に差しかかろうとした時だった。


突然目の前に男性が現れた。
とても飛び降りそうも出来ない階段の前に。


「·····!!ま、雅紀?」


何でか分からないけどそう声を掛けていた。


男性は俺の方を見たと思ったら目の前に居て思わず
後ずさりした。

「くふふ。俺、雅紀って名前なの?」
「·····えっ。それ、は…」
「君は確か...自転車に乗ってる時1度会ってるね」


顔は雅紀なんだけど何か違う。
理由は分からないけどそう思う。


「君さどうせ忘れちゃうだろうけど俺の事誰にも
言っちゃダメだよ」


そう言って笑った顔は雅紀そのもので。
でも夜空を見上げあいつ…と舌打ちするとじゃあね
と言われて一瞬で消えた。


そんな訳無い。

でも、確かに消えたという単語しか思いつかない。


そして何故かその日の事は忘れる事がなかった。