それから雅紀と結局イチャイチャして1発芸の事
なんてすっかり忘れていた。


翌日会社に行くと風間さんに肌艶がいいねと更に
目を細めて笑っているが風間さん。恐らくあなた
が考えている通りです。

相手が雅紀とは思いもしてないでしょうが。

パソコンを立ち上げると社内メールに忘年会の詳
細が送られてきて出席出来る方はなるべくお願い
しますと書いてあった。

「風間さん。本当に1発芸とかやらなきゃいけない
んですか?」
「えっ?あはは。ごめん、ごめん。何か余裕無さ
げに必死にキーボード叩いていたからちょっと
気持ちを楽にしようと思って」
「ちょっ……。楽どころか本気で悩んでいたんです
よ」
「今どきそんなのさせたら下手したらパワハラに
なるでしょ。だから信じると思わなくてさー」

さっきからヘラヘラ笑ってらっしゃいますが俺は
本気で悩んでいたのに!!


しかし嘘で良かったと安心していたら松本さんに
呼ばれ急いで行くと。

「来月の話でまだ決定では無いが海外出張に行く
事になるかも知れない。櫻井は海外に行く事は大
丈夫か?」
「勿論です。同行させて頂けるんですか?」
「俺の無茶ぶりにもお前はくらいついてくる。近年
ここまで骨のあるヤツは居なかったからな。日本
とはまた違う色んな刺激や勉強にもなると思うし
そのつもりで居てくれ」


分かりましたと松本さんに言い内心ガッツポーズ
をしていたらそれまでに割り当てた仕事、全部
終わらせとけよと最後は松本さんらしい一言で。


体調も良くなったようで安心した。