松本さんを誘うと言ってから特に雅紀から何も
言われる事は無く気付けば外回りがキツく感じ
るようになった梅雨どき。

今日も雨が降りそうな曇天だった。

「櫻井。今日はアメリカから新規のクライアント
がお見えになる。今回はあちらの意向を聞くだけ
だが櫻井にも同席してもらう」
「いいんですか?」
「あぁ。今後の為にも相手が何を求めているのか
一語たりとも聞き逃すんじゃないぞ」
「はい!」
「じゃあこれは担当者一覧と会社概要の資料だ。
頭に叩き込んでおけ」

分かりました。と資料を受取り席に腰掛けると
風間さんが珍しい……と呟いた。

「櫻井くん。松本さんが新規の仕事で同席させて
くれるなんて異例だよ」
「えっ、そうなんですか?」
「うん。去年の新人くんは1年掛かってた。多分
だけど期待されてるのかもね」

だとしたら尚更その期待に応えるよう頑張り
ます。と言うとそういうとこが気に入られた
んだろね。と言われた。

最近になってほんの少し気持ちに余裕ができ。
確かに松本さんは厳しいがそれはちゃんと理
由があって。

仕事のスケジュールに関しても事前に社内メール
で送ってくれるので自分なりに準備はしてきてい
たつもりだ。

それを認められたのならこんな嬉しい事は無い。



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夕方から急にごぉぉぉという風の音。
被災地の方々は元々雪が振るとこだし
お辛い夜をお過ごしでしょう。

そして迷子になってる猫ちゃんわんちゃん。
元々の野良の子。寒さと飢えで震えている
のではと思うと可哀想で՞߹ - ߹՞

今自分が出来る事は義援金ぐらいなのが
もどかしい。