皆さん、おばんです。
ナイキ「おいおい。オンシ、泣きちゅうがか?オッサンの涙ほど汚いものは無いき。みっともないぜよ」
ナイキはわたしの両腕を抱え込み「エイ!」と掛け声ヨロシク外れた肩を入れ直してくれました。
ナイキ「ちぃとワシの質問に答えてくれちや。オンシ、何の目的でジョンに接触したがか?」
わたし「サーカスを探すためです」
ナイキ「サーカスちや、MI6のことがか?」
わたし「M?・・・6?」
わたしはわたしの猫未満の脳みそをフル回転して導き出した答えはコレです!
わたし「いいえ。線香ではありません。金魚です」
そうです。わたしは、『MI6』つまり英国諜報部をウルトラマンの故郷の星『M78星雲』と勘違いし、ソレをまた、しあわせの青い雲♪でお馴染みの『青雲』の線香とナイキが混同していると思い込み、彼が傷つかないようにやんわり訂正してあげたつもりだったのです!
ナイキ「センコウ?・・・オンシ独特のはぐらかし方じゃのう。まあええ。それじゃ、単刀直入に聞こう。オンシが、世界のどんな機密事項でも盗めるスパイがか?」
わたし「へ?」
ナイキ「そしてどんな人物でも詐術や幻術を用いて口を割らせ、また、自分の思いのままに操れるという伝説のスパイがか?」
わたし「・・・」
わたしの猫未満の脳内を『?』が猛烈な速さで駆け巡ります。ソレに『オネエ』の鎌田さんがぶつかり『?』が分裂し、またソレに鎌田さんがぶつかり分裂して・・・を繰り返してとうとう『?』で頭ン中がパンパンになって爆発寸前!に出した答えがコレです!
わたし「ジョンのカレーのレシピは知りません」
そうです。わたしは、ジョンのカレーに使われているスパイスの秘密をナイキが探っていると思ったのです!
ナイキ「・・・まぁ、ええじゃろ。そんな簡単に自分の素性を明かすとは思わんちや」
わたし「ところで、あなた、この家が、わたしの家じゃないとおっしゃいましたね」
ナイキ「おお。言うた。確かにそう言うたがやき」
わたし「ソレは、どういう意味です?」
ナイキ「そのまんまの意味がやき。この家は、オンシの家じゃないキ」
わたし「じゃあ、一体、誰の家?そして、何で、このわたしが誰の家かわからない家に住んでいるのです?」
ナイキ「この家の持ち主は、国防総省やき」
わたし「へ?」
ナイキ「5年前から、この土地を接収し、家を持ち運んで、オンシを住まわせとるがやき」
わたし「は?」
ナイキ「わしが言えるのは、それだけじゃ。そうして、オンシを、この家ごと確保せよとの命令を受けたのがやき」
わたし「家ごと?」
ナイキ「そうじゃ。これから航海に出るゼヨ!」
ナイキが「ガラっ」と窓を開けると潮の匂いと共に海風が「フワっ」と家の中に吹き込んで来ました。
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