皆さん、おばんです。
その謎の男は、『TOKIO』の沢田研二みたいに、ワイヤーロープをダラリと背中にブラ下げたまま、わたしに名刺を差し出しました。
男「イヤイヤ、コレは失敬、ご挨拶が遅れました。わたくし、フレッドペリー証券のファイナンシャルプランナー、ジャック・プラントと申し・・・おや?どこかでお会いしましたかな?」
わたし「・・・いいえ。人違いじゃあーりませんか?」
と、わたしはシラバックレましたが、ジャック・プラント略してJPはわたしのことを覚えていたのです。
JP「イヤイヤ。わたしのことをお忘れですか?ジョンのカレー屋の前でお会いしたのを」
わたし「ああ・・・はいはい。思い出しました。ていうか、いつから天井に張り付いていたの?不法侵入だよね?許されないよね?」
JP「イエイエ。ソレは誤解です。わたしはナイキさん達と一緒にお邪魔したのです。あなた様が他の人達と会話を楽しんでいらっしゃる間に、屋根裏に上がらせていただいたのです」
わたし「マジで?」
JP「マジです。ところで、先日お渡しした名刺、まだお持ちですか?」
JPはわたしの返事を待たず差し出した名刺を背広の内ポケットに入れました。
JP「ジョンが見つかったら連絡してくれとお願いしたはずですが」
わたし「今もジョンは行方知れずです。けど、もし見つかってもね、連絡する手段がなかとですよ。わたし、電話もパソコンも持ってましぇんから」
JP「Oh!あなた、テレビも無ぇラジオも無ぇみたいな、ロビンソン・クルーソー的思想の生活を送っているのですか?この21世紀の現代社会で?」
わたし「いいじゃん別に。必要無ぇもん。その、ロビンさん?もそう思ってるよ」
JP「イヤイヤ。これは失敬。確かに人それぞれ、考え方は違いますからな。多様性のある社会を作っていかなければなりませんからな。ところで、あなた、株に興味はおありですか?」
わたし「ありましぇん」
JP「ない?まったく?」
わたし「YES」
JP「Oh!それは残念!是非お勧めしたい銘柄があるのですよ!絶対損はさせません。いいですか。あなただけにヒッソリコッソリお教えしますよ。あのね、いまね、各国の諜報機関がコゾって手に入れようとしてる、ソレこそ喉から手が出るほど欲しい盗聴器を開発してる、いや、正確に言うと開発しようとしてる通信傍受機器メーカーがあるんですよ。そこの株はゼッタイゼッタイ近いうちにハネ上がりますよ。マジで。コレほんとマジだから。あとはねー、軍事関連かなー。わたしが注目してるのはー、東欧ね。あそこの企業はね、ケンチョウなノビをシメしてるのよ。手堅いのよ。カッチカチにね・・・さあ、わたしに託してみません?ちなみに、現在のご資産てどれくらいお持ちです?預貯金、不動産合わせて。ザックリでいいんで教えて頂けます~?」
何だこいつ。一体、何しに来たんだ?そして、何でオネエみたいな話し方になるんだ?
- TOKIO/沢田研二
- ¥2,160
- Amazon.co.jp
- 完訳ロビンソン・クルーソー (中公文庫)/ダニエル デフォー
- ¥1,028
- Amazon.co.jp
- 2016年にやってくる『株高7年波動』に乗れ!: 経済の千里眼が教える厳選77銘柄/菅下 清廣
- ¥1,620
- Amazon.co.jp