皆さん、おばんです。



ルコック「何をするんだナイキ!手を放せ!」




ナイキ「お絵描きの時間はもうとっくに過ぎたぜよ。ココから退いてくれちや」




ルコック「まだ完成してない!あともう少しだけ描かせてくれ!」



ナイキ「ダメダメ。おんしは締め切りが無いといつまでも描き続けるタイプやき。どこかで妥協せんとイカンがやき」




ルコック「芸術はそんなモンじゃないんだ!終わりなんて無いんだ!時間を超越してあるものなんだ!」




ナイキ「はいはい」




ルコック「やめろー!!」




ナイキはドアを開け、嫌がるルコックを外へ強引に押し出しました。




ルコック「空爆はんたーい!!」




ドボン!




やっばり。ルコック飛び込む水の音だべや。空耳でも何でもないぜ。ハッキリクッキリ水の音が俺の耳に聞こえたぜ。にしても、金魚捕まえようとしたり、部屋の壁に絵を描いたり、あの人達はわたしの閑居に何をしたくて来たのでしょうか?と思いながら、わたしはゆっくり立ち上がりました。蹴られた腹の辺りにまだ少し痛みが残りますが、骨には異常が無いようです。と思います。

そして、わたしは部屋の白い壁に描かれた、赤い花と青い花の間に黒い花を描き加えました。とても奇妙な、不自然な絵になってしまいました。が、しかし、わたし自身がこの絵に手を加えた以上は我慢して見続ける必要があるとですたい。そうした責任がわたしにはあるとですたい。




ナイキ「さて、金魚食うたオンシも出て行ってもらうがぜよ」




鎌田「何で?どうして?わたしはミスターの家に遊びに来ただけよ」




ナイキ「この家は、この男のモノやナイき。カン違いしてもろうたら困るき」




わたし「えっー?!何言ってんのアンタ!ていうか、アンタ大家さんなの?そういう意味なの?」




ナイキ「まあええ。とにかく部外者は出て行ってもらうき。ホラ。腹減っとるのならコレやるき」




ナイキはカレーの入ったタッパーを鎌田に差し出しました。

鎌田は素直にソレを受け取り「ジョンの容疑は晴れたのね?彼は犯人じゃないのね?」と言いました。




ナイキ「ジョン?わしは知らんき。その件に関しては全部任せとる。ウチの調査員と、それから・・・ソコにいるんじゃろ?ええ加減、出てきたらどうじゃ?」




天井裏から愛をこめて♪のBGMに乗って、天井からワイヤーに吊らされて降りてきた男に、わたしは見覚えがありました。




男「暑いね。日本の屋根裏は。日本の夏の、あのジメジメした梅雨から暑い盛りが過ぎるまで、この国にはとてもじゃないけど暮らせないね」




男は顔から吹き出る汗を拭おうともせず床にボタボタ落ちるがままにしています。『俺、ちゃんと働いてますよ』みたいな姑息なアピールをする嫌な感じの奴なのです。


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