皆さん、おばんです。
「ドッタッーン!」という地響きに混じって「ガシャン!」と床に叩きつけられた水槽のガラスの割れる音が鋭くわたしの耳に入ってきました。
そして次の瞬間、カマちゃんこと鎌田ミノルの目の色が変わり、わたしを押しのけると、猛烈な勢いでホフク前進をし始めたのです。
そうです。それはもはや、来る♪きっと来る♪でお馴染みの『貞子』さん顔負けのホフク前進なのでした。
鎌田ミノルは首をグルングルン回しながら、いいえ、ソレぐらいの勢いで床の上をピチピチ跳ね回るレラサン目がけて突進しました。
そうして、レラ・サンを捕まえるやいなや、ナンと!少しも躊躇せずにパクリと口の中に放り込み、一息に飲み込んだのです!
金魚の踊り食い!?鎌田さん、そんなに腹減ってたのか?ナルホド、俺に冷凍のカレーをしつこく勧めたのはそのためだったのか。鎌田さん自身が食いたかったからなのか!気付かなかった。まったく。ごめんね。鎌田さん。俺、あなたのこと、全然わかってなかった。ていうか、レラ食ったらイカンですばい!どぎゃんかセントいかんデスばい!
ルコック「オエッ…汚ぇ。金魚を食べるなんて、日本人は何でも生で食べなきゃ気がすまないんですね」
ナイキ「・・・一体、どうなってるがぜよ」
ナイキはぶつぶつ言いながら、床に倒れてるアディダスの呼吸と心拍をチェックし、彼を抱えて立ち上がりました。
ルコック「彼、どうしたの?救命処置必要?」
ナイキ「必要ないき。気ぃ失ってるだけやき。このまま寝かせたらいいがぜよ」
と言ってナイキはアディダスを玄関まで運び、ドアを開け彼を外へ放り出したのです。
ドボン!
え?アディダス飛び込む水の音?ってどういうこと?いまたしかに、水の中に何かが落ちた音が聞こえた気が…。いや。気のせいか。ドアの閉まる音か。いやいや。ドアの閉まる前に聞こえたぜ。それにドアが閉まるときって「ドボン!」なんて音する?しないでしょ?とアレコレ自問していると、今度はルコックとナイキが言い争いを始めたとです。
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