皆さん、おばんです。



わたしは、冬眠中のカブトムシの幼虫みたいに丸くなって床に突っ伏しておりました。身体のダメージの回復を待って。そして、レラを助けたくても助けられないジクジたる思いを抱きしめていたのです。ああ!この想い、君に届け!みたいな感じで。


そしてわたしは、「がんばれレラサン、レラサンがんばれ…」と繰り返しつぶやき、ほとんど呻き声の声援を床に這わせてレラの水槽まで届けました。いいえ。届けようと思いました。声を出すしかない。祈るしかない。ソレだけでも、しないよりはいいと思ったのです。しかし、わたしの想いはアディダスの蛮行を止めさせる事には至らず、ますますエスカレートしていったのです。先の戦争の反省などこれっぽっちもしてないじゃん!みたいなノリじゃないか!


役立たずの『ションベンたれ』の想いや祈りは実際役に立たないのなら下らぬものだ。どんなときも、ピンチを脱するために実際的な手助けをしてくれる人なりモノなりが大事なのだ。隣人を愛さなければならないのなら、そのためだ。

とにかく、わたしはわたしのために動ける人間を使う必要がある。

このイカレてるドイツのスパイは訓練されているのか、薬を使っているのか、わたしの『夢』を受け付けない。少しの間だけでも眠ってくれれば『夢』が『効く』のだが・・・しかし、どんなときもわたしを助ける者が無いことなど無かった。わたしは夢を司る金魚なのだ。誰だって、わたしの夢を見ずにはいられない。


アディダスはレラを捕まえられないイラだちに抗しきれなくなり「ダンケダンケ!アタマきたんけー!!」と怒鳴り、水槽を頭上高く持ち上げました。


鎌田「ミミ、ミ、ミスター…どうするの?」


鎌田は恐怖に顔を引きつらせ、わたしの身体にしがみつきました。しがみつかれたわたしは何も出来ない無力感にさいなまれ、又、アディダスの暴力に対して強い嫌悪と憎悪を覚えました。そして、わたしの身体にピッタリ張り付いた鎌田さんの身体に、夢見る少女の孤独を感じました。


と、そのときです。水槽を投げ下ろさんとしていたアディダスの身体が、まるで雷にでも打たれたように一瞬「ビクン!」と跳ね上がり、宙に浮いたのです。そうしてそのまま、ゆっくりと、後ろへ倒れてゆくじゃあーりませんか!もちろん、レラの水槽を持ったまま!


レラ「鎌田ミノル!わたしはあなたの愛するジョン・ロトンの居場所を知っている!わたしを助けてくれるなら彼の居場所を教えてあげよう。さあ!わたしを助ける夢を見なさい!!」


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