皆さん、おばんです。
男たちは、わたしの閑居の部屋のドアを荒々しく開けて入って来ました。ノックもピンポンもせず、しかも土足で!そして彼等は誰も、家主のわたしに挨拶さえしなかったのです。
「なんという無礼者!叩っ切ってやる!」と胸の内で叫んで、わたしはガクガクブルブル震えてオシッコちびりそうになりました。いいえ。チビリました。これで、朝方からのオネショと合わせれば、3度目の『ソソウ』です。死のう。死んでやろう。そう思いました。同じ日に、病気でも無いのに3度もチビッてしまう40過ぎのオッサンなんて恥ずかしくて生きていけましぇん!しかーし!その前に、目の前のよくわからん状況から抜け出さねばならんとですたい!
オニツカ「よーし、そのタッパーを『鑑識』にまわせ!」
と部下に命じたその男は、日本人に似た姿形及びたたずまいで、ていうかバリバリの日本人なのでしょうが、わたしのソバに歩み寄り「住所不定無職の君!署までご同行いただこうか!」と威勢良く言い放ちました。
わたし「こ、これはどういうこと?」
鎌田「…ごめんねMr. Homerunこうするしか、なかったのよ」
わたし「だーかーらー、どういうことよ!」
オニツカ「説明しよう!北朝鮮国籍の女、キムヒョンファ知っとるね?知らん?ルーシールーと言った方がええかな。その偽名を使い、米国人を装って、我が国でスパイ活動を行っていたのだが、コレは知っとる?コレも知らん?そう、まあええわ。それで、先日、他殺体で発見されたのだが、コレは知っとる?知っとるね。その件で、君にイロイロ話を聞きたくてこうしてワザワザやってきたというわけや!」
わたし「話だけなら何でも話しますけど、ココでなら」
オニツカ「ダメダメ!警察署に来てちょうだい!」
わたし「何で?」
オニツカ「何でって、その方が警察に都合がいいからに決まっとるやろ!」
何だコイツ。素直だな。ていうかムカつくな。しかし、こうして自信満々で来るってことは大体のメボシは付けて来たのだろう。俺がルーシーの事件に何らかの関わりを持っていると信じているのだろう。
わたし「物的証拠とか、わたしが疑われるような誰かの証言とかあるとですか?」
オニツカ「ナニ言うてんねん!別に君を疑ってるなんて一言も言ってないわ!話を聞かせてよって言うてるんや!」
わたし「だーかーらー、ココでなら話します」
オニツカ「もう、分からず屋さんやなー君は!ええやろ。君、キムヒョンファにバットをプレゼントをしたことあるよな?」
わたし「ありません」
オニツカ「えっー!?アルやろ?『ルーシーへ。ミスターホームランより』って、クソ汚い字で書いたサインバット贈ったやろ?」
わたし「ああ、アレは、正確にはわたしのバットではありません。ジョンのバットです。あのときは、バットにサインしてくれと頼まれて、調子に乗って書いてしまったとです」
オニツカ「キムヒョンファに、やね?」
わたし「ルーシーに、です。美しすぎるアジアンビューティーって何かクドイけど、それぐらい美人のルーシー・ルーに」
オニツカ「そやから同一人物やて!キムとルーシーは同じ人!」
わたし「俺はルーシーしか知らん!キムって誰だ?連れて来い!」
オニツカ「君はアホやな?正真正銘の。さっき表で君と、このオカマとの会話を聞かせてもらっていたが、金魚がどうたらこうたら、わけのわからんことばかり!先に警察病院連れて行った方が良さそうやな!もうええ!立て!後は署に行って話を聞いたる!あのバットから出た指紋と、タッパーに付いた指紋を照合してからな!」
ナイキ「ソレは必要ナイき!」
と言って、出番を待っていたかのように、外国人の風貌の男が我々の話に割って入ってきました。
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