皆さん、おばんです。



ハッとして目覚めたわたしは、股間に手を伸ばし、その濡れ具合を確かめました。変なところに寝汗をかくものだなーとまず自分をダマクラかそうと試みたのですが、やっぱ無理があるね。そうです。わたしは『ソソウ』をしたのです。オネショです。40過ぎの男が、です。あなたならどうする?病気を疑う?ショックだよね。引きずるよね。けどね、わたしはこんなことではメゲませんよ。漏らしたのはしょうがないですからね。その事実を真摯に受け止めて、シミになる前に布団カバーを外してですね、洗濯しないとあきまへん。




わたしは颯爽とした身のこなしで跳ね上がり、つまり手を使わず腹筋と背筋と脚力だけで起き上がりました。それに何の意味があるのか?いちいち、意味があるとかないとか考えて行動しているわけじゃありません!そして布団カバーを外して広げてみたらアラ不思議!なんとソコが、『南極大陸』の形になっているじゃあーりませんか!これは何かのメッセージでしょうか?確かに何か、引っかかる気がします。南極に。



南極?何だろう?わたしはまず、子供の頃に観た映画『南極物語』を連想し、それから、タロ&ジロは元気かなー?まだあんな寒いところで自分たちを捨てた人間なんか待ってたりするのかな?と想ったり、いや、アレは人間の勝手な都合の良い解釈で、ワンちゃんはハナっから人間なんて眼中に無いのに、イザとなったら人間を食ってやろうぐらいに思っていたのに、ソレを知らない人間が、ああいうウソくさい『人間ドラマ』に仕立て上げてしまったとです。



ああ、それで、何だっけ?そうだ。南極だ。南極といえばペンギンだ。ペンギンといえば、わたしの悪夢の象徴であり、わたしが愛して止まないサーカスの天敵?だと思っているのですが、それで、思い出しました!さっきまで見ていた夢を忘れるところでした。ていうか、夢なんて見っぱなしで、大抵、覚えてもないけれど。そう。わたしは、ペンギンゾンビーズの夢を見ていたのであります。




ペンギンゾンビーズは、生まれも育ちも南極の、生粋の南極っ子たちで、元は普通のコウテイペンギンだったけど、地球温暖化の影響で南極の氷が溶けて、オキアミとかのエサが減って、居住スペースを失って、とうとう絶滅してしまったのね。それで、温暖化は特に人間だけの責任ではないのに、ていうかまだ科学的に十分説明出来てないところだけど、とにかく人間を逆恨みするようになり、人間に復讐するために生き返った?ゾンビなのです!




それで、夢の話に戻りますが、その夢の中で、サーカスのお友達だか兄弟だかが、確か、フユアキ?とかいう名前だった気がしますが、そいつが、何でか、グツグツ煮立ったお湯の中に流れ込んでくるのです。




フユアキが選んだ温かい水の水脈は、大きな釜のような、地熱で温められた熱湯の溜り場に通じていた。グツグツ煮立ったその中にフユアキは水と共に流れ込み、その熱で一瞬にして意識を失い、身体は白く爛れた。そして、釜の底から次々に立ち上る泡に乗って、釜の割れ目の出口に運ばれる。それから一気に彼の身体は蒸気と共に地上に飛ばされた。それは見事なジャンプだった。しかし彼の意識も飛んでいたので、彼は、彼の最高のジャンプを、その景色を、一番見たかった自分自身が見られなかった。




蒸気に押し出されて空高く飛び上がったフユアキの身体がその頂点で静止した後、緩やかな放物線を描いて、地表に落ちてくる。それを待ち構えていた夥しい数の黒い塊が彼の落下点を予測し、ゾロゾロ移動してきた。彼等は一様に、フユアキの落下を固唾を呑んで待っている。その間も、興奮を抑え切れない彼等は仲間の頭や胴体をその鋭いクチバシで突き合い、緑の血を流し、それがまた快感だというように奇妙な鳴き声を発した。




わたしはペンギンゾンビーズの群れにダイブした金魚が彼等に弄ばれて、突き回されて、食いちぎられて、やがて骨になるまでしゃぶりつくされるまでのおぞましい夢を見て、それがショックで、『オネショ』しちゃったんですね。そっかー。納得。けど、サーカスは?サーカスの行方がわからずじまいだなー。どうすっかなー。まあいいや。布団干したら又寝るわ。果報は寝て待てというし。というわけで二度寝しまーす。

じゃあ、またね。


















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