皆さん、おばんです。



スナメリ探偵の続きですが、わたしのボケにノらないのかノれないのかわかりませんが、とにかくとっても真面目な探偵さんは、不真面目なわたしが聞きもしないのに、大変真面目に語り始めたとです。


 

 わたしは子供の頃から日本文化に興味がありました。特に、漫画です。ありとあらゆる漫画を読み漁りました。それこそ、イギリスにある日本の漫画は全て読みました。本当です。しかし、日本に来てからは、漫画を読む気が無くなりました。何故なら、あまりにも量が多過ぎる。1冊読む間に、新しいのが10冊出てくる。天国でも読み切れない。

わたしは漫画好きが高じて、日本語を学ぶようになりました。独学で勉強しました。先生は漫画の登場人物達です。彼等の会話がそのままテキストになりました。辞書に載っていない言葉は、日本人に直接聞きました。ソウセキナツメの子孫たちです。彼らは皆、シンケイスイジャクでした。本当です。彼等が訳してくれた会話の録音を何度も繰り返し聞きました。彼等は本当に親切でした。日本人が親切だという噂は本当でした。わたしは益々、日本への憧れが強くなりました。日本に行って暮らしたいと思うようになりました。

日本に行くチャンスは、すぐに訪れました。日本の学校に派遣する英語教師を探している、という広告を見て、躊躇なく応募しました。そして、運良く合格出来たのです。

わたしが初めて住んだのは、ここよりもっと田舎の町で、けれど素朴な生徒たちが日本での不慣れな暮らしを彩り、不安な気持ちを和らげてくれました。いつしかその満ち足りた生活が逆に物足りなくなったわたしは、もっと大きな町に出ていろいろな人達と関わりたいと思うようになりました。それで思いついたのがカレー屋でした。カレーはイギリスでもポピュラーな料理です。日本人のカレー好きはそれ以上です。しかし日本とイギリスのカレーは、少し違う。そこにわたしは目を付けました。その差異をデフォルメした、日本には無いタイプのカレー屋なら、他店との差別化が生まれ競合せず、安定した経営が出来るのではと思いました。

イギリスのカレーの歴史は日本よりも古いのです。イギリスのカレーは、植民地化したインドの香辛料を加工し、フランスの調理方法を模倣して作ったものです。それをイギリスの文化に仕立て上げたのです。しかし、インドから略奪した原料で営利目的のために開発した商品が独自の文化と言えるでしょうか。わたしは言えないと思う。その、インド発祥のラベルを貼ったイギリスのカレーを、日本人は何食わぬ顔で独自の食文化として定着させた。ご飯という日本人の主食自体の要求がそうさせたのでしょう。それにしても、日本人の、無数の無名の人達の犠牲を知らず技術だけを取り入れることに抵抗がない、科学する心の無さは驚嘆すべきものがあります。

だから、日本の文化を強引にカレーのそれと同じ文脈に乗せれば、わたしは、京都の寺やその町並みとディズニーランドは同じだと言いたい。実際、わたしには舞妓がミニーマウスに見える。本当です。

わたしには、日本のオリジナルは、日本の自然風土にしか見出せません。それは、イギリスで言えばセブンシスターズ。日本で言えば、リアス式海岸。要するに、人間が作ったものじゃないものです。

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