関西の芸人が、また一人亡くなりました。
チャンバラトリオの「かしら｣南方英二さんです。
私の大叔父に似ていたのでファンでした。
初めて知ったのはテレビの｢白馬童子｣です。
ご存じでしょうか、、、あの山城新吾さんが
｢風小僧｣で人気者になり。その次に制作された
番組で偽物の白馬童子で出演されていたのです。
股の間に、玩具の馬をはさんでの演技が滑稽で、
その面白い独特の間に芸人の本質を見たのです。
時代劇に憧れて東映に入社して萬屋錦之介に
師事して、主に大部屋と言われている裏方で
切られ役として多くの映画に出演、、、
東映が時代劇から撤退して仕事がなくなって
１９６３年に仲間と｢チャンバラトリオ｣を結成、
しかし、真面目すぎる性格でしょうか、、、
面白みがなくて初めは全く売れませんでした。
そんな時に考えたのが｢はりせんチョップ｣です。
厚紙で作った大きなはりせんで、走ってきた顔を
思い切り叩くと言う少し残酷な芸でした。
後日談で彼は花菱アチャコが戦前に、自分を
売り出すために、お茶屋の座敷で杯をこめかみで
割る芸で評判を呼び、それで舞台に立てるように
なったことからヒントを得たそうです。
彼の芸は、はっきり言って上手なものでなくて、
どちらかと言うと不器用なものです。
しかし、汗を出す一生懸命さに惹かれるのです、、、
自分も頑張らねばと、励まされるようで、
ファンになったのかも知れません。
天才のうぬぼれ芸にはない、純な芸人のこころが、
それは喜んでもらいたい、笑って帰って欲しい、、
芸人の本質と、道化師のユーモアと哀感があって、
私は本当に大好きでした。
最近のお笑いは面白くはありません。
それは、人の揚げ足を取ったり、けなしたり、
心まで深く傷つけるからです。
子供の頃に街の空き地で塾をさぼって、
おもちゃの刀で友達と遊んだ思い出を
｢チャンバラ・トリオ｣に見ていたのですね、、、
さようなら、、、ナンバの昔の吉本で、、、
もう一度、はりせんの音を聞きたかったです。
天国で片岡知恵蔵と大友柳太郎、師匠の
萬屋錦之介と思い切り、チャンバラを
心ゆくまで楽しんで下さい。 
｢きっと、今宵の月は泣いています。｣ 合掌
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