一歩踏み出す勇気!

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僕の心は鉄で出来ている。

映画の主人公のように何か特別な大きな出来事は日常では起こらない。

しかし、僕たちには積み重ねがある。

何気ない日々の中で多くの出来事を体験する。

それは映画にはならない小さな物語の集まり。

まぁだからどうしたという話なのだけど。

僕の話をしよう。そうだな。

どれが原因だったのかはわからない。

というよりきっと全てなのだ。

でもきっかけは分かる。

好きな子が居た。それも3年越しの。

おいおいと言いたい気持ちは分かる。

でも少し付き合ってくれ。最初は一目惚れだった。

そして優しさや思いやり、その人柄に惹かれた。

顔が良かったんだろと言われたら否定は出来ないけど。

ただ彼女には決定的な問題があったんだ。

愛し合っているアベックの片割れだったんだなこれが。

まぁしかしそんな物は時間が経てばいつかチャンスがと思っていた。

しかし、実際は二年以上経ってた。

けどうん。二年待っていたアベック解散が現実になった。

チャンス到来とばかりに二人で遊びに行ったさ。

でもそれだけだった。人づてで詳しい話は分からなかったけど。

すぐに彼女には彼氏が出来たらしい。

最初は落ち込んだ。

けど振り出しに戻ったと思ったらなんてことはなかった。

それからまた懲りずにチャンスを伺いつつの馴れ合いを始めた。

といっても環境も変わり会う事も少なくなり。

久しぶりに会う事になった時には心踊ったさ。

それが大勢での宴会だったとしてもね。

はしゃいで話しかけたり隣を歩いたりもした。

彼女が酔ってしまって改札まで送ろうともした。

しかし、その時だった。盲点だった。

一緒に宴会に居た男の子に怒られた。

彼とも割と長い付き合いだったから驚いた。

そして彼は彼女を送るのは自分がやると言い出した。

最初は全く理解が出来なかったが、ようやく合点がいった時には。

悔しいとか悲しい気持ちなんてのはなく。

世界をひっくり返された気持ち悪さと自分の愚かさだけを感じた。

そして周りに居た友人達が全てを知りながらも自分だけが知らなかった事に。

恐怖を感じた。

気を使っていたり中立の立場で居る為などの理由もあったかもしれない。

しかし、自分だけが無知であった事にただ恐怖だった。

ただ一人。自分に教えてくれたなら。

常日頃に感じていた。他人から見た自分の存在価値を。

そして考えられなくなった頭で誰か助けてくれる人を探した。

自分だけだった。

家に帰り、布団に入った。

そこで初めて悲しくなった。

眠りについた。

なんて普通の事だろう。さして面白くもない。

悲劇気取りの構ってちゃん。

とこれだけを聞いたら思う事だろう。

しかし、日々の積み重ねがある。

表面化に蓄積されている。他人が気が付かない。

ひょっとしたら本人も気が付かない何かが蓄積されているのかもしれない。

鉄は度重なる負荷に耐えきれなくなった時に急に壊れる。

僕たちの心は鉄で出来ている。

その日、夢を見た。顔の思い出せない女の子。

僕たちは会話をしていた気もするし、していなかったとも思う。

けど通じ合っていた。

僕たちは歩いた。ありそうでありえない美しい世界を。

ただただ美しいと思うばかりでよくは分からなかった。

そこで僕たちは笑い合い。触れ合いながら子供のように歩いて回った。

そこに理由はなく何もかもが通じ合っている気がした。愛を感じた。

顔も声も分からなかったけどきっといつか会える気がした。

朝、目が覚めて。

僕の心は救われていた。

どうしようもなく単純に。

鉄は度重なる負荷に耐えきれなくなった時に急に壊れる。

しかしもう一度繋ぎ合わせて鍛え直したら。

強く頑丈になるだろう。

心は鉄で出来ている。

どうやら僕の心は強く頑丈になったみたいだ。