ウロウロウロウロウロウロ・・・・
特別何かを期待していたわけじゃないけど
会いに行けば歓迎してくれるとどこかで思い込んでいたバカな俺
帰るに帰れずさっきからフロアを歩き回っている
本を探すでもなく、完全に挙動不審者・・・
「お客様?何かお探しでしたらお手伝いいたしましょうか?」
そんな姿を見かねたのか、怪しく思ったのか
ついに男性店員に話しかけられてしまった
「あ、いえ、その・・・」
ううう・・・ここはひとまず引き下がるしかないのか?
「お客様。」
背後から聞こえてきた声
「お待たせいたしました。お探しの本、こちらにございましたのでご案内いたします。」
「え?・・」
振り向くと、ミワさんが男性店員に目配せして頷いた
「こちらへ。」
「あ・・はい。」
よくわからないが、ここは従った方がよさそうだ
彼女に続いて一番奥の通路へと歩いた
「ご用件は?」
他に人がいないのを確認すると、彼女は無表情にそう言った
「それは・・・本、本を買いに!ここ、本屋でっしょ?」
「わざわざ、あの本を買いに?」
「そう!・・です。」
「ご実家は農家ですか?」
「は?」
「さっき買われた本、有機栽培と害虫の専門書ですけど。」
「・・・・・」
そこへ1人、若い男性が入って来て、彼女は急に営業用のスマイルを浮かべた
「それでは検索しだいご連絡いたしますので、申し訳ございませんが上のカフェで
少々お待ちください。」
「へ?・・・」
戸惑う俺に何かチケットのようなものを押し付けて、会釈をするとその場を立ち去った