■主権回復の日
 本日、4/28は日本国の「主権回復の日」。
 1945(昭和20)年に日本が降伏して戦争が終結し、同年の9月2日以降連合国占
 領下において停止されていた日本の主権が、1952(昭和27)年4月28日に回復
 したことを記念した日です。

 ※前年の9月8日に締結された「サンフランシスコ平和条約」の発効が1952年
  4月28日でした。

 サンフランシスコ平和条約の締結日が9月8日で、その発効日が4月28日とい
 うのはちょっと引っかかります。
 半年後だとか、3ヶ月後だとか、100日後だとか、締結日と発効日にはもうち
 ょっと区切りがいいというか、そういう日付けの関係があってもいいと思う
 のですが。

 ふと今日は「今日の記念日」のデータを見ながらそんなことを思いました。
 そう思いながら、何か意味があるのかな? と考えたら、ありました。この
 日を発効日としたい理由が。
 皆さんもお気づきですね。そうです、この日の翌日は4月29日でした。

 4月28日の翌日が4月29日なのは当たり前ですが、ある程度の年齢(・・・)
 の方なら懐かしく思い返されることでしょう、4月29日は「天皇誕生日」
 (昭和時代の)だったのです。

 そうか、サンフランシスコ平和条約締結の際に日本政府は日本国の主権を回
 復し、主権を回復した日本国の元首として陛下に誕生日を迎えていただきた
 いという願いがあったのでしょう。そのために陛下の誕生日の前日にこの条
 約が発効するように画策したのか。

 ※この部分、記念日データを今朝見て思い浮かんだ話なので、思いつきの段
  階。多分間違いないと思いますが、調べて後日追記したいと思います。

◇「主観回復の日」その後
・「痛恨の日」と「屈辱の日」
 1952年のこの日に日本国の主権が回復したのですが奄美諸島、小笠原諸島、
 沖縄県については取り残されることになりました。
 このことから、この日はそれぞれの地域が本土復帰するまでの間、この日は
 奄美では「痛恨の日」、沖縄では「屈辱の日」とされていました。

 ※1953(昭和28)年12月25日 奄美諸島の本土復帰
  1968(昭和43)年 6月26日 小笠原諸島の本土復帰
  1972(昭和47)年 4月28日 沖縄県の本土復帰

・祝日化の動き
 サンフランシスコ平和条約発行から59年目となる2011(平成23)年に4月28日
 を祝日にしようと祝日法改正案を衆議院に提出しましたが、これは不成立
 に終わっています。通っていれば、ゴールデンウィークがもう1日伸びてい
 たのですけどね(今のままでも十分か)。

・「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」
 2013(平成25)年に、政府主催による「主権回復・国際社会復帰を記念する式
 典」が天皇・皇后両陛下(現上皇・上皇后陛下)御臨席の下で実施されたが
 翌年以降は政府主催行事は行われていません。

 このような状況ですので、おそらく今後もこの日が祝日となるようなことは
 なさそうですが、大切な日なので忘れることのないよう、こよみのページで
 毎日「今日の記念日」をチェックしてくださいね。

  今日は何の日 (byこよみのページ)
  http://koyomi8.com/cgi/today/today.php

 最後は宣伝で終わる、本日の暦のこぼれ話でした。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   koyomi8kanri@gmail.com までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2024/04/28 号