■「月の出」の無い日 本日(2023/12/5)は下弦の半月の日です。 そういえば一昨日の夜遅くに、半月よりちょっぴり太めの月を眺めていたな と思い出しました。あれから2日経って、月は少しスリムになって、今夜は 半月ということになります。 半月となる瞬間は本日の15時頃(日本時で)。 この時間だと月はまだ昇っておりません(地平線の下です)ので、実際半月 を望むことが出来るのはその数時間後。 では今日の月の出は何時かなとこよみのページで確認してみましょう。 おもむろにWeb こよみのページの「月出没計算」を開いて確認しました。 月出没計算 http://koyomi8.com/sub/moonrise.html すると、無いじゃありませんか、本日の月の出。 上記のWeb ページを開いた直後に表示された本日の月の出没&南中時刻を書 き写すと 2023/12/5 ・月出:月出無 ・月没:12時31分 ・南中: 5時52分 ・月齢:21.7 (正午の値) となっています(計算地点は東経135度、北緯35度)。 あれれ? 月の出が無い。 今日は月が見えない日なの? それともこの「こよみのページ」てWeb サイ トがインチキなの? 一応答えておきましょう。 「どちらも違います」と(後者の方は、もしかしたら・・・)。 この「月出無」については、この日刊☆こよみのページを継続してお読み下 さっている方ならおわかりですね。 日刊☆こよみのページの時折月の出の時刻が下のように「無し」となってい ることがあるのに気づかれていると思います。 本日の日刊☆こよみのページにも各地の月出没時刻がありますので確認して 頂ければ、本日の「月出」が無いことが解るはずです・・・のはずが、あれ れあるじゃないか、「月出」。 日刊☆こよみのページには、全国7地点での今日と明日の月出没時刻が掲載 されています。それを見ると本日の月出時刻は 2023/12/5の各地の月出時刻 ・○札幌 23時27分 ・○仙台 23時33分 ・○東京 23時41分 ・○大阪 23時59分 ・×岡山 無し ・×福岡 無し ・×那覇 無し 地名の頭に「○」を付けた4地点では月出がありますが「×」を付けた3地点 では本日は月出がありません。この例では月出無しの地点は岡山~那覇とい う、西日本ばかり(西日本でも大阪はセーフでした)。 お月様は、東日本には甘く、西日本には辛いのか? もちろんそんなことは ありません。上記と同様に明日12/6の月出時刻を見ると 2023/12/6の各地の月出時刻 ・×札幌 無し ・×仙台 無し ・×東京 無し ・×大阪 無し ・○岡山 0時 6分 ・○福岡 0時21分 ・○那覇 0時38分 となって、東西日本での月出の有り無しが逆転しています。 また各地の月出時刻を見れば解るのですがたとえば同じ西日本なのに、月出 の有り無しで日付が分かれた大阪と岡山の月出時刻を見比べて見ると ・大阪 12/5 23時59分 ・岡山 12/6 0時 6分 と日付は12/5と6とに分かれてしまっていますが実際の月出の時間差はわず かに7分でしかありません。つまり、同じ夜なのでが午前0時という日付が変 更される時刻を跨いでしまっているために違う日の出来事のように思えてし まっているだけに過ぎません。 「12/5の月の出」のように、日を単位として区切って月の出没時刻などを求 めると、こうした計算上は月の出のない日が現れるのですが、月の出という 時刻がその日の中に無いからといって、月が見えないわけではありません。 このような「月の出のない日」は月出時刻が午前0時の前後となる下弦の半 月の時期に見られます。 今回は月出の話ですが、これと同じことは月没にも起こり、一月に一度(希 に二度)は月没のない日も登場します(こちらは上弦の半月の時期)。 「なーんだ、そんなことなのか」 という「そんな話」なのですが、案外多くの方が「今日は月の出のない日」 などというと驚かれるものです。 日刊☆こよみのページの読者の皆さんを驚かすことは出来ませんが、それ以 外の方になら「今日は月は見えるけど月の出のない日なんだよ」なんていう 話で、注意を引くことが出来るかもしれません。 お暇なときの雑談ネタにいかがでしょうか? (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、 magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2023/12/05 号