花  調  べ

 

ナワシログミ(苗代茱萸)

 別名 タワラグミトキワグミ

 

 

ナワシログミ(苗代茱萸[4]学名Elaeagnus pungens)とはグミ科グミ属の常緑低木。別名タワラグミトキワグミ。 盆栽としてはカングミの名で呼ばれることが多い。

 

名称

和名「ナワシログミ」は、苗代(4 - 5月ごろ)を作るころに果実が熟すグミでことから名付けられている[4]。中国名は「胡頹子」[1]

 

分布

日本本州中南部(関東地方以西)、四国九州[4]、および中国中南部に分布する。海岸近くの山野に生える[4]

 

特徴

常緑広葉樹低木で、高さは2.5メートル (m) ほどになる[4]。茎は立ち上がるが、先端の枝は垂れ下がり、他の木にひっかかってつる植物めいた姿になる。互生し、葉身は長さ5 - 8センチメートル (cm) の楕円形で、質は厚くて硬い[4]葉縁は全縁で多少波打つ[4]。新しい葉の表面には一面に星状毛が生えているため、白っぽい艶消しに見えるが、成熟するとこれが無くなり、ツヤツヤした深緑になる。裏面には褐色から銀色の鱗片が多い[4]

 

開花期は秋(10 - 11月)[4]葉腋に数個の花をつけ、萼筒は淡褐色で長さ6 - 7ミリメートル (mm) [4]。果期は翌年の5月ごろ[4]。果実は長さ15 mmほどの長楕円形をしている[4]

 

利用

公園木、海岸の砂防用、庭木として植栽されている[4]果実(正確には偽果)は春に赤っぽく熟し食べられる[4]

 

葉にはウルソ酸(ursolic acid)オレアノリン酸(oleanolic acid)、クマタケニン(kumatakenin)、ルペオール(lupeol)、β-シトステロール(β-Sitosterol)、3,7-ジメチルカエンフェロール(3,7-Dimethyl kaempferol)などの成分が含まれる。中国では生薬として「胡頽子」(こたいし)の名で『本草綱目』、『本草経集註』などに記載がある。『本草綱目』は葉の性質を「酸、平、無毒」とし、喘息喀血出血癰疽に効用があるとする。

 

偽果