■最も早い「振替休日」
 年が明けて間もなく。正月行事が目白押しの時期。
 暦のこぼれ話を書くなら、いろいろと他にも話の種が転がっているのですが
 本日は目先を変えて(いきなりですけど)、振替休日の話です。

◇振替休日の誕生
 まずは、振替休日の誕生の話から始めましょう。
 振替休日は「国民の祝日に関する法律」に1973年 4月12日に第三条二項とし
 て追加された、

 『「国民の祝日」が日曜日にあたるときは、その翌日を休日とする。』

 という条文によって生まれました。最初の適用はその年の4/30。この日は、
 その前日の4/29の天皇誕生日が日曜日に当たっていましたので、初の振替休
 日となりました。

 ※「国民の祝日に関する法律」には「休日」の言葉はあっても「振替休日」
  の言葉はありません。「振替休日」という言葉は、他の「休日」との区別
  のために便宜的に使っている言葉です。ご了承下さい。

 この法改正の日付が4/12であることを見ると、どうやらその年のゴールデン
 ウィークに間に合わせるように休日を増やそうと考えた感じです。
 ちなみに、この年には既に小学生であった私にとっては、難しい話はさてお
 き、休みが増えて嬉しかったことだけは覚えています。

◇最も早い振替休日
 さてさて、こうして生まれた振替休日が一年で一番早く現れる日はいつかと
 いうと、それは 1/2。そして今年は、今日、1/2 は目出度く振替休日となっ
 ています。ただ、

  休みが増えて嬉しいな~・・・。

 と思っている人は、ほとんどいないでしょうね。
 振替休日もなにも、それ以前に正月三箇日で、お休みという方が多いから、
 こんなところに振替休日が出来ても有り難くない、それどころか1日損をし
 た気分になるかも(大部分の方は、振替休日となっていることにさえ気づか
 ないかな?)。

 ただ、こよみのページとしては 1/2の振替休日というのは、考え得る限り最
 も早い振替休日ですから、採り上げる価値はあります。

 それに、次に1/2の振替休日の話を書くチャンスは、11年後の2034年まで巡
 ってきませんから、それまで日刊☆こよみのページが続いているという保証
 はありませんからね。書けるときに書いておこう!

 ちなみに、今日は振替休日。ではその元となった昨日の祝日は何?
 もちろん日刊☆こよみのページの読者の皆さんならご存じのことですが 1/1
 は立派な祝日。なんていう祝日かは、これももちろんご存じですよね?
 (正解は「元日」です)

 しかし、今日の 1/2が影の薄い振替休日だとしたら、昨日の祝日も祝日とし
 ては影の薄い存在ですね。目出度いけど、可愛そう。

 可愛そうといえばもう一つ。
 例年、2~3回くらいは出現することの多い振替休日ですが、今年は今日の1
 回のみ。そのたった1回という貴重なチャンスを、今日という日に使ってし
 まうなんて・・・。ああ、今年はついていない。

 ちなみに、来年(2024年)は振替休日の当たり年。
 なんと5回の振替休日があります(2/12,5/6,8/12,9/23/11/4)。
 新年早々だけど、来年に期待しよう。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2023/01/02 号