花  調  べ

 

ハナカイドウ(花海棠)

別名はカイドウスイシカイドウナンキンカイドウ

 

 

ハナカイドウ(花海棠、学名Malus halliana)は、バラ科リンゴ属の耐寒性落葉高木。別名はカイドウスイシカイドウナンキンカイドウなど。春に淡紅色の花を咲かせる花木として、各地で植栽される。

 

名称

和名ハナカイドウの由来は、中国名の「海棠」をそのまま読んだもの。別名で、ナンキンカイドウ(南京海棠)[1]、スイシカイドウ(垂絲海棠)[2]、カイドウ(海棠)[2]ともよばれる。中国名は、垂絲海棠(すいしかいどう)[1]

 

近縁種はミカイドウ(実海棠、Malus micromalus)、ノカイドウ(野海棠、Malus spontanea)など。

 

特徴

中国原産で、日本では北海道南西部、本州四国九州で植栽される[2][3]

 

落葉広葉樹で、低木から小高木[2][3]。幹の下部から枝分かれするように乱れながら樹形を形成し[4]、樹高は4 - 8メートル (m) になる。性質は強健で育てやすい。

 

花期は4月頃で、短枝の先に淡紅色の花を4 - 6個垂れ下がって咲かせる[3]。花の直径は3.5 - 5センチメートル、花弁は一重または半八重になり、花弁数は5 - 10枚つく[3]花柄がつき、長さ3 - 6 cmある。

 

果実は直径2 cmで、10月に熟す[2]。花が咲いた後の林檎に似た小さな赤い実は、食することができるが、結実しないことが多い。

 

花弁の色変わりをする品種もある。紅の蕾が開花するとピンクに変わり、徐々に色が薄くなり白い花弁に変わり、散り際に葉が生えてくる種類がある。

 

利用

春にサクラに似た花を咲かせるハナカイドウは、樹高1 mくらいの幼木でも、樹木全体に花をつけることから、狭い空間に植栽する花木として重宝される[4]。芽吹きと共に咲く花は、優しげな風情が愛でられ、庭木あるいは生け垣に向いている[2]

 

栽培は日当たりの良い、土壌が適湿度をもつ砂壌土に植えられ、根は深く張る[2]。植栽適期は2 - 3月か6月下旬 - 7月中旬[3]、あるいは3月下旬 - 4月上旬か10月中旬 - 11月[2]と言われている。生長は速く、剪定は11 - 3月、6月中旬に行い、施肥は2月と5月の年2回行うこととされる[2]。高温や乾燥には弱く、真夏は水やりが必要である[2]

 

多花性を利用して、近縁のリンゴの受粉樹として利用されることがある。