■明日(11/19)は月食です
 14日に十日夜のお月様、三の月を眺めたところですが、今月は幸運にもまた
 ひとつ、お月様関連イベントが。それは明日の月食です。

 明日の月食は、ほぼ日本全国で部分月食が見られます。
 「ほぼ日本全国」としたのは、月の出の遅い沖縄地方では、月の出が月食が
 終わるころ直前か、終わった後になってしまうためです。月が出たときに、
 ほんのわずかに欠けた月が見えるかどうか、ぎりぎりといった具合です。

◇多くの地域で、月が欠けた状態で昇る「月出帯食」
 明日の月食の状況は以下のとおりです。

  16時18分 部分月食の始まり
  18時03分 最大食分(食分 0.98)
  19時47分 部分月食の終わり

 となります。
 日食と違い月食はどこでも同じ時刻に見えますから、あとはその時刻に月が
 出ているかどうか。皆さんのお住まいの地域の明日の月出時刻を確かめ、上
 記の時刻と見比べてください(本日の日刊☆こよみのページ掲載の、明日の
 月出没時刻も参考に!)。

 月出の時刻から考えると、月食の全経過を見ることが出来るのは北海道や東
 北の東側の地域のみで、それ以外の地域の多くでは既に月食が始まっていて
 欠けた状態となった月が地平線から昇ってくる、月出帯食と呼ばれる状態と
 なります。

 全経過が見られないというのは、ちょっと残念に思えるかもしれませんが、
 もし写真を撮ろうと考えるのであれば、海や山、街の建物と一緒に月食によ
 って欠けた月を写せるといったチャンスかも。構図としてはなか面白いもの
 になると思います。

 ちなみに、このメールマガジンの月出時刻の右の()の中の数字は真北を0度
 として東回りに測った月出時の月の方位角を表していますので、月出時の決
 定的な写真を狙おうなどという場合には、参考にして、カメラの方向を決め
 てください。メールマガジンの月出計算ポイントにお住いの街がないという
 方は、Web こよみのページの月出没計算を使えば、より細かな観測地点の設
 定が可能ですので、ご利用ください(宣伝)。

※月出没計算 http://koyomi8.com/sub/moonrise.htm

◇赤い月が見られるか?
 今回の月食は皆既月食ではなくて部分月食なのですが、最大食分が0.98と
 皆既月食に限りなく近い状態(食分が1.00~となると皆既月食)。ですの
 で部分月食とはいえ皆既月食に近い状態となりますので、皆既月食に見ら
 れる赤い月なんかも見られるかもしれません。

◇月食シミュレーションもよろしく
 どんな具合に月食が進むのかなと思う方は、Web こよみのページに

  月食シミュレーション
  http://koyomi8.com/sub/meclips.htm

 というページで、その様子を確認することが出来ます。
 ページを開き西暦が2021年となっているのを確認したら、右上に「候補2」
 というボタンがあります。そこに「11/19 18H」と今回の月食の日付が入って
 いるはずですので、この「候補2」ボタンをポチッと押してみて下さい。

 月に対して地球の影がどんな風に動いてゆくかを確認することが出来ます。
 右上のページ(背面が黄白色のページ)にはスクロールバーがついているは
 ずで、これを操作して、ページの下の方を見えるようにすると、観測地点を
 選択することの出来る部分が見えてきますので、そこでお住まいの場所等に
 近い場所を選ぶと、より具体的(?)なシミュレーションをご覧いただけま
 すのでお試しください。

 と、最後はWeb こよみのページの宣伝でした。

 もう十一月も後半で、夕方になると寒さが身に染みる季節となりましたので
 防寒対策をしっかりと行って、初冬の月食を楽しんでください。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2021/11/18 号