■秋土用の入り(2018) 明日、2018/10/20は秋の土用の入りです。 土用は四季それぞれにありますから、その回数は年に4回。 土用には季節と季節の間にあって、五行説による季節の循環の説明では、季 節の交代を円滑にすすめる働きがあるとされるものです。 ◇秋土用の期間 秋の土用の期間は現在は太陽の黄経(黄道座標の経度方向の値)が 207°に なる日から始まり、冬の期間の始まりである立冬の直前の日までと決められ ています。 今年、太陽黄経が 207°になる瞬間は10/20 19h58m 頃。 立冬は11/7ですから、土用は明日 10/20~11/6の18日間ということになりま す。 秋の土用が終われば暦の上ではもう冬。 ちょっと前まで、「暑い暑い」といわれていた気がするのに、月日の巡り、 季節の巡りは早いものですね。 ◇土用の迷信と土用の間日(まび) 土用の期間は、土公神(どくじん)という神様が力を強め、地上を支配する 期間といわれます。この土公神はその名の通り「土」に関係する場所にいら っしゃる神様ですが、その居場所をいじり回されるのを嫌う神様で、そのた めこの土用の時期に、「土をいじる」ような行為を行うとこの神様の祟りが あるということで、こうした行為が禁忌とされました。 土をいじることとしては、土木工事から、井戸浚い、耕作地を耕すこと、竈 の改修などなど。沢山あります。 この沢山ある行為全てを18日間しないというのは、少々無茶な話。 なんとかしたいものです。 そこで、「なんとか」しようと考えた結果生まれたものが「土用の間日」で す。土用の間日とは、土用の期間内であっても、前述の禁忌に触れない、障 りの無い日です(そうなるように、考え出された)。 間日は、各季節の土用毎に決まった十二支の日と決められています。 秋の土用の間日は、未・酉・亥の日とされていて、だいたい4~5日に 1度の 割合で巡ってきます。 今回の土用の間日の日は 10/20,22,30 11/1,3 の 5日 です。 この間日の期間は土公神様が地上を離れていらっしゃるそうで、このため土 をいじっても祟られないという論理(?)です。 「土公神様の居ぬ間の土いじり」というわけです。 さて、土用は古代中国の五行説という一種の科学仮説(2000年ほど前のです が)から生み出されたものです。2000年前なら立派な科学仮説でしたが、今 となっては科学仮説としては、棄てられ忘れ去られ、一種の迷信としてだけ 残っているものです。 迷信とはわかっていても、こうした迷信を信じる(迷う)人はなかなかいな くならないもので、工事関係の仕事をなさる方たちの間では「土用の間の禁 忌」は今も問題になることがあるのだとか。 迷信はほどほどにといいながら、迷信とわかっていても・・・という場合は、 間日を有効活用してください。 (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、 magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2018/10/19 号