花  調  べ

 

夕霧草(ユウギリソウ)

 

 

夕霧草(ユウギリソウ)はキキョウ科ユウギリソウ属(トラケリウム属)の多年草である。
トラケリウム属は3種が分布する小さな属である。
本種の和名から、属名の和名もユウギリソウ属という。
園芸的には一年草として扱われる。
原産地は、南ヨーロッパや北アフリカである。
日本へは大正時代の末期に渡来した。
草丈は30センチから100センチくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6月から10月くらいである。
茎先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、花径2ミリくらいの筒状の小さな花をたくさんつける。
花の色は、青紫色、淡い桃色、白などがある。
雌しべが長く、花冠から飛び出している。
和名の由来は、雄しべの飛び出した花序の様子をたとえたものである。
花言葉は「穏やかな精神」である。
属名の Trachelium はギリシャ語の「trachelos(首)」からきている。喉の治療のための薬草とされたことから名づけられた。
種小名の caeruleum は「青色の」という意味である。
写真は9月に京都府立植物園で撮った。
学名:Trachelium caeruleum

★夕霧にたとえられたる花姿
 霞むがごとくイメージ淡く