花 調 べ

 

紅花栃の木(ベニバナトチノキ)

 

 

紅つけて召さるを待つや栃の花

紅花栃の木(ベニバナトチノキ)はトチノキ科トチノキ属の落葉高木である。
分類体系によってはムクロジ科とされる。
ヨーロッパ原産の西洋栃の木 (セイヨウトチノキ)と北アメリカ原産のアメリカ紅花栃の木(アメリカベニバナトチノキ)の交配種である。
西洋栃の木 (セイヨウトチノキ)はフランス語名のマロニエとして親しまれている。
丈夫で樹齢も長く、最近は街路樹として見かけることが多い。
パリでは「マロニエの並木道」が有名だが、この紅花栃の木(ベニバナトチノキ)もよく植えられているという。
樹高は10メートルから20メートルくらいである。
葉は大きな手のひら状の複葉で、向かい合って生える(対生)。
小葉は5枚から7枚で1組になり、長さ15センチから30センチくらいの楕円形である。
開花時期は5月から6月である。
八方に広げた葉の先に赤い花がすっと天に向かって伸びる。
花は房咲きで、やや黄みを帯びた紅色をしている。
紅色には濃いものから薄いものまで幅がある。
花弁数は4枚で、雄しべが花の外に突き出している。
花の後にできる実は堅果(皮が堅く、種と接触せずに種を包んでいる果実)である。
「栃」は漢字で「橡」とも書く。
俳句では「栃の花」や「マロニエの花」が夏の季語である。
属名の Aesculus はラテン語の「aescare(食う)」からきている。実を食用にしたり家畜の飼料にしたりすることから名づけられた。
種小名の carnea は「肉色の」という意味である。
写真は5月に神代植物公園で撮った。
学名:Aesculus x carnea

★紅さして弾む枝先ゆらゆらと
 橡(とち)の花咲く五月の空に
☆新緑の空に響きて神楽鈴
 花の季節を尊ぶように

 

 

写真と解説は「花図鑑ー龍」さんからお借りしています。

http://hana-zukan.net/039he.html