花調べ

 

薺(ナズナ)

別名 ぺんぺん草(ペンペングサ)ないし三味線草(シャミセングサ)

 

 

おずおずとやがて根を張りなずな咲く

薺(ナズナ)はアブラナ科ナズナ属の一年草である。
北海道から沖縄にかけて分布し、田畑や畦道、道端、荒れ地などに普通に見られる。
海外では、世界の温帯、亜熱帯地域に広く分布する。
春の七草の一つであり、若苗を食用にする。
草丈は10センチから50センチくらいである。
葉は初期にはさじ形をしているが、花が咲くころには細長い披針形(笹の葉のような形)となる。
茎の上部につく葉は茎を抱き、互い違いに生える(互生)。
根際から生える葉はロゼット状となり、羽状に切れ込む。
開花時期は2月から6月である。
花径15ミリから35ミリくらいの小さな白い十字花をたくさんつける。
花弁は4枚、萼片も4枚である。
雄しべは6本、雌しべは1本である。
下のほうには実ができるが、先端部には次々と蕾ができて開花する。
花の後にできる実は角果(雌しべの中にある仕切りを残して左右の殻がはがれるもの)である。
別名をぺんぺん草(ペンペングサ)ないし三味線草(シャミセングサ)という。
これはいずれも実が三味線の撥(ばち)に似ているところからきている。
慣用句に「ぺんぺん草も生えない」というのがあるが、これは薺(ナズナ)が荒廃した土壌であっても生育するところからきている。
俳句の季語は春である。
花言葉は「すべてを君に捧げる」である。
属名の Capsella はラテン語の「capsa(箱)」の縮小形である。さや形の実の形から名づけられた。
種小名の bursa-pastoris は「羊買いの財布(実の形の形容)」という意味である。
写真は3月に江戸川河畔で撮った。
学名:Capsella bursa-pastoris

★バチの音を聞いておくれというように
 薺の花が春の川原に
☆簪を作りて飾る幼き子
 薺の花のまこと可憐さ

 

 

写真と解説は「花図鑑ー龍」さんからお借りしています。

http://hana-zukan.net/031na.html