米沢興譲教会HP霊想→http://www.kojochurch.com/reisou.html

 

 

ガンとの付き合いは
      自分との付き合い
(1月26日)



 「ガン細胞」と聞くと、私たちの健康の敵と思うのが人の常かも知れません。しかしガン細胞は、私たちに多くのことを教えてくれます。
 正常細胞、例えば胃の正常細胞は他の臓器に移植されても、そこで生きていくことはできません。しかし、ガン細胞は、体のいろいろなところに旅し、受け入れられ、そこに根ざすことができる不思議な細胞です。
 ガン発生のメカニズムを次のようにたとえることができます。人間の60兆の細胞の一つを地球にたとえると、染色体は一つの国、遺伝子はその中にある町、そこに住む一人の人が塩基と言われる最小単位になります。ガン細胞もこの塩基から始まります。
 歴史を見ると、すべて偉大なことは一人から始まりました。ガン細胞はそれを如実に示してくれるのです。がん哲学外来のセミナーが東京でなされましたが、ガンと向き合う哲学、深い信仰の思索と共に、ガンそのものが人生の豊かさをはじめ多くを教えてくれる。何とも不思議なものです。
 ガン細胞は宇宙のどこかから飛んできたものではなく、自分自身の中で生まれます。よくガン細胞を非行少年にたとえることがありますが、ガン細胞とよく付き合えば、人生の深み、豊かさを味わう契機ともなり得るのです。