K・短編小説【水泡】(宗像)#1 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。


あいあーい。みふゆです。


Kですよー。


宗像さんですよー。


CV:杉田氏ですよー。



周防を書いたなら宗像さんも書いておかなきゃという意気込みまでは良かったんですが、

何だか書き始めたらだらだらと長くなりました、ええ。

もっと早く書き上げる予定だったのに;


結局何を書きたかったのかっていうのは期待しないでください。


ヒロインちゃんの名前はマドカちゃんからお借りしました~!

ありがとねん!ヾ(@^▽^@)ノ


そしてちょっとだけ出てくる周防の彼女の名前を乃柑さんお借りしてもいいですか←ここで聞くな。あ、駄目だったら言ってください。因みに苗字は私がつけました。



ヒロインちゃんは淡島世理ちゃん系のさっぱりした性格ですね。


さっぱり系なヒロインしかかけないねぇ。。






キャラ崩壊、設定捏造、色々あります。


それでもいいという方だけお進みください。



あ、今回裏ありませんので。



























淡く青い水の中をゆらゆらと昇っていく水泡。


それは水面に着いたとき、音もなく弾ける。


水泡がなくなっても在り続けるもの。



それは― …。










私が書類を室長に手渡していた時、入室を許可された伏見が「失礼します」と眉根を寄せながら入ってきた。


「…赤の王に面会したいとの人間が」


「ほう。…ではその方の名前は」

伏見が伝えた言葉に自分はいるべきではないなと思い、
軽く会釈をして立ち去ろうとすれば「待ちなさい」と室長から声がかかった。

机に腕を突いて、手を組みそこから伏見をじっと見据える宗像室長。


「空木乃柑。…赤の王の恋人です」


「そうですか。わかりました。面会には私も立ち会いましょう。
…そうですね、御崎くん貴方も」

伏見の答えに室長は立ち上がり、私に淡く笑みを向けながら声をかけてきた。
それはあたかも、「暇つぶしに付き合いませんか」と言うように。


「…失礼ですが私が立ち会いましても何も…」


「来てくれますね」

断りを最後まで聞かずに半ば脅しのように向けられた言葉と射抜くような瞳に、
自分の中にあった言葉は飲み込んだ。


「…承知しました」


「よろしい。では行きましょう。伏見君報告ありがとうございました」

伏見から向けられる視線に肩を竦めて少し笑いながら室長室を出た。













そういえば独房の中はこうなっていたか…。

久しぶりに来た独房の構造を再確認しながら、
室長を先頭に、面会に来た女性、つまり周防尊の恋人、最後に私が続いて
ひんやりとした空気が漂う独房の奥へと足を進めていた。


周防尊の恋人は会いたい一心で来たんだろう、
少し怯えた表情をしながらも宗像室長の質問にきちんと答え
面会を許可された。


凛としたものがあるものの愛らしい女性だと思った。

きっと赤のクランズマンにも大切にされているんだろう。





そして周防尊の独房が解除される。

背を向けて眠る赤の王に宗像室長が声をかける。


「周防。貴方に面会ですよ」

赤い髪が少し揺れ、「…ああ?」という寝ぼけてるのか起きてるのかわからないような声が聞こえた。

そしてゆっくりと身体をこちらに向ければ、彼女を認識し、周防尊の目が少し見張られる。


「尊!!」

彼女は躊躇いがちに1歩歩み出てその名を呼んだ。


「…何でここにいる」


「一目…会いたくて」


「…」

ちらりと宗像室長を見上げた周防。

そんな周防に背中を向けた室長は眼鏡のブリッジを指で上げながら私の隣へと並び、
また周防へと身体を向けた。



ゆっくりと身体を起こす周防尊。

ジャラリと鎖が鳴った。


彼女が周防の元に歩み寄り、膝をついて周防を見上げる。



「…元気そうでよかった」


「ああ」


「ちゃんと食べてる?」


「ああ、毎日まずい飯を食わされてる」


世理の話だと周防尊は毎日出されるご飯をまずいと言いながらも残さず食べるらしい。
私は小さく息を吐く。

隣で宗像室長が喉の奥で笑った気がした。




「…痩せたんじゃねぇのか」


「そんなことないと思う」


「それ以上痩せんじゃねえ。抱き心地が悪くなる」


「…そんな恥ずかしいこと、人前で言わないでよ」


純粋なんだろう。

周防尊の言葉に彼女は恥ずかしげに顔を俯かせた。


「ほら、もう帰れ。ここは空気も悪いんだと」


「…」

周防の言葉に彼女は遠慮がちにその細い腕を周防の頬へと近づけた。


「触れて、いい?」


「…ああ」



始まった濃厚なキスに呆れ気味で視線を隣にいる人物に移せば、
酷く楽しそうにその様子を眺めていた。



私は半ば呆れながらあからさまに大きな溜め息を吐いた。