ところどころ、表現は略してたりします。
ネタばれ、設定無視、キャラ崩壊などご注意を。
それでもよろしければどうぞ。
#1
「尊…」
「…」
ねだるように呟いた声に周防はその口を甘く塞いだ。
軽いリップ音の後、乃柑が口を開く。
「壊して?」
「あ?」
乃柑の言葉に周防の動きが止まる。
乃柑の瞳が揺れた。
「尊のこと、1日でも1時間でも1分でも1秒でも忘れられないように」
「…」
「…ね?」
淡く微笑んだ乃柑の目尻から雫が零れる。
周防はその目尻を舌で舐めた。
「…お前はずっと笑ってろ」
「…ん」
乃柑の額に周防は唇を寄せた。
どこか神聖な気持ちとなり、そっと瞳を閉じる乃柑。
ゆっくりと瞳を開ければ、そこには王たる威厳を持った強い眼差しがあった。
「…愛してる、乃柑」
周防の言葉の響きが乃柑の身体全体を撫で上げる。
「…私も尊を愛してる」
想いを伝えるように慈しみあうような口づけは次第に激しさを増し、
周防はベッドに押さえ込むように乃柑に背中から覆いかぶさった。
打ち付けられる快感と、背後に感じる歯型や花を散らす痛み。
二人の息遣いと、絡む液音。
乃柑はうわごとのように「もっと…、もっと…」と強請った。
二人から奏でられる音は止むことはなかった。
仰向けになっていた乃柑の白い肌も今は身体中に無数の歯型のあとや赤い花が散らされている。
快感に朦朧としながらもうっすらと開けた瞳で乃柑は周防を見上げていた。
足首に歯型をつけそれを愛おしげにペロリと舐めた周防。
「…乃柑。お前に一生もんの足枷を付けるぞ」
見下ろす瞳に乃柑は小さく頷いた。
深く深く繋がった乃柑を壊さんとばかりに打ち付けられ、乃柑は掠れた声で与えられる快感に喘ぎながらその愛しい王の背中に手を回した。
薄れていく意識の中、身体の中に熱いものが注ぎ込まれた感覚。
明るい暗闇が乃柑を包んだ。
学園島で待っていた吠舞羅の面々。
王の姿を確認し、周りの士気が高まる中、草薙が呆れたように口を開いた。
「尊ー、遅いわ」
「あ?」
「俺2時間言うたよな?お前4時間や、4時間」
「いつものことだろうが」
「このドあほ。何や、スッキリした顔しよって…。腹立つわ」
「惚れてる女がそこにいたらしょうがねぇだろ」
「人待たせた上にノロケおった…」
ニヤリと笑い歩き出す周防に、草薙は肩を竦めたが口元には笑みを浮かべていた。