K・短編小説【この感情の名前を俺は知らない】(伏見×八田)#2 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。


閲覧注意。

















それから伏見は集団だと仲間と距離を置きたがるくせに
何かと俺に構うようになってきた。



正直、うざかった。



俺が女にめっぽう弱いことを知った時には「童○」やら何やら吹っかけてきたからぶち切れて、
店内で争いになって椅子を壊したら草薙さんにめちゃくちゃ怒られた。


仕舞いには「家まで帰るのが面倒」とか言って俺の家まで付いてきやがった。





「女っ気ねぇ部屋。お前本当に○貞なんだな」


「うるせぇ!!だったら帰れよ!!!」


「何か飲み物ねぇの、美咲」


「お前に出す飲み物なんてねぇよ!」


「あ、そう」


「じゃあ猿、お前そこのソファで寝ろよ」


「はぁ~?」


「はぁ~?じゃねえよ、泊まらせてやるだけありがたいと思え!ソファが嫌なら雑魚寝しろ」


「美咲~、お前やっぱり本当の馬鹿だな」


「ああ?馬鹿に馬鹿なんざ言われたくねぇよ!!」


「明らかに俺とお前じゃ身長が違うだろぉ?お前がソファで俺がベッドに決まってんだよ」


「意味わかんねぇし!!この家の主は俺だ。俺がベッドで寝るんだよ!お前は床で寝ろ!!」


「どこ行くんだよ」


「シャワー浴びるに決まってんだろうが!」


俺は猿比古をそのままに風呂場へと向かった。



部屋に戻ってくればどこから探し出したのか数冊の雑誌がベッドの上に散らかっていた。


「何見てんだよ」


「お前さー、もっとわかりにくいとこにエロ本とか隠せば?ああ、ばれるような女いないしな」


「何、人ん家のエロ本見てんだよ!!てか人のアルバムまで見てんじゃねぇよ!!!」


「お前ストライクゾーン広すぎ」


「うるせぇっつってんだろうが!!!!早くシャワー浴びてこいよ!!!」


「は?」


「シャワーぐらい入らせてやるよ」


「はいはい」




伏見がシャワーに行ったあと、俺はアルバムや雑誌を片付ける。



伏見といるとホント怒鳴ってばっかだな。


俺が突き放そうとすれば食らいついてくるし。


他の連中が近づこうとすればウザイだの言って距離を置きたがるし。


根暗だし。


かと思えば好戦的で。





…わけわかんねー。






ベッドに横たわり、壁の方に身体を向ける。


一つ息を吐けば襲ってきた睡魔。


猿にベッドを奪われるのは癪だし、このまま寝ちまうか。


うとうとし始めた時、ベッドが軋んだ。



「…美咲、寝てんの?」

伏見の声に応えようとするも俺の意識は半分夢の中で。

肩を掴まれ仰向けにされた感覚はわかった。


「誘ってんだろ」

その言葉が耳に届いたと同時に口に何か触れ、口内に何かが流し込まれた。


突然のことに驚いて目を覚まし、その液体を飲み込み、咳き込んだ。

甘ったるい味が口内に広がる。


「…っ!何しやがる!このくそ猿!!!」

そこには上半身裸の伏見がベッドに座っていた。


「何って、ねぇ。こうでもしないとお前、俺を欲しがんないし」


「はぁ?!意味わかんねぇ!!つーか、お前はソファっつってんだろ!!」


「お前の理性と本能のせめぎ合いを見るのが楽しみだな。美咲」


「わけわかんねぇこと言ってんじゃねぇよ!!」


「まぁ、俺も少量飲んじゃったからなぁ…。壊したらごめんな?」


「…っ?!」


途端に身体の芯から何かが疼くように熱くなってくる。


この感覚は力を使うときのものじゃない。


そして下半身が異常に疼きだす。



「てめぇ、何飲ませたっ?!酒か?」


「酒なわけないじゃん…。俺達一応未成年だし?」


「じゃあ…っつ?!?!」


俺の両手首をきつく押さえて俺に覆いかぶさってくる猿比古。

すぐさま噛み付くように口に吸い付かれる。

抵抗しようにも薬が効いているのか思うように動けない。

酸素を求めて口を開けば狙っていたかのように割り込んできた舌が口内を暴れ回る。


俺は…女には弱いが女は知らないわけじゃない。

だがそんなに数は知らない。


男なんて知るわけもなく。


逃げ惑う舌を絡ませてくるには次第に気持ち良さも伴ってきて。

薬のせいだと思いたかった。


正直やべぇと思った。


何よりも暴発しそうになっている俺自身がやばいと思った。




ふと動きを止めた猿比古。


息の上がる俺と冷静な瞳。


にやりと笑いながら俺を見下ろすその瞳が嬉しそうに細められる。



「感じてきただろ?美咲」


「もう止めろよ。…止めてくれ」


「そろそろ疼いてきてんだろ?」


「違ぇ!」


「はいはい…」

そういった猿比古は俺の頭元に手を伸ばす。

頭元にあった吠舞羅のバンダナで俺の手首をしばった。


「止めろっ!!」

そう言いながら抵抗しようとするも身体の自由は利かない。


「一回出しとくか…」

そう呟いた猿比古は俺のパンツや下着を一気に下ろした。


電気のついたままの部屋の中、露になった俺自身は今にもはちきれんばかりに主張していて、
俺は思わず視線を逸らした。

低く笑う猿比古。


「涎まで垂らして、相当いやらしいんだな。美咲。これから男にやられるって時に」


「…っ」


反論出来ねぇと思った。


この状況にひくどころか俺自身の中で昂ぶりが治まらない。


猿比古も膝立ちになって、自分の下着まで下ろす。

猿比古も俺と同じ様に昂ぶりが象徴されていて、俺は思わず息を飲んだ。


俺に覆いかぶさるように体重を乗せてくる猿比古。

触れ合う肌が熱い。


猿比古と俺の自身が互いの肌に当たる。


猿比古はそれを嬉しそうに眺めて、俺の自身に自身のを擦りつける。

それだけで俺の身体は意思とは関係なくビクンと反応してしまい、猿比古は小さく笑った。



「美咲…」


「…何だよ、猿」


「俺と…堕ちるとこまで堕ちないか」


「ざけんな。勝手に堕ちていきやがれ」


「じゃあ道連れにしてやる」

ニヤリと笑った猿比古は俺の身体にキスを落としながら俺自身のところまで下がっていった。


「止めろ!!くっそ!」


「一度楽になっておこうぜ、お互い」


「やめ…っつ」


俺の自身が猿比古に咥えられる。

温かさと締めつけだけで暴発しそうになるのを堪える。



男だ、男だ、野郎だ、猿だ!!


そう頭の中で叫んでも俺の自身は萎えることはなく、更に硬く大きさを増すばかりで。


猿から目を離せないでいると、上目遣いで俺を見上げた猿と目があう。

その目が嬉しそうに細められた。


よく見れば、猿は自分の手で自身を扱いていて。

その姿にまた俺は反応してしまう。


二箇所から出る液音が部屋に広がっていく。




「猿…、止めろ…、出る…っ」

しばられた両手首を猿の頭に止めるように持っていって髪を掴んでも、
それがまるで俺が猿にそう導いているようにも見えてしまう。


俺の言葉に猿が更に吸い上げるように刺激を強めた。



「…っ、はぁ…っ」


俺は猿比古の口内に自分の欲をぶちまけた。

それを一滴残らず吸い取るように、猿比古の喉が鳴った。


「…おま…飲んだ、のか?」


「飲むでしょ、ふつー」


舌で自分の口周りをぺろりと舐める猿。


俺は全身の力が抜けるように息を吐いた。


次の瞬間、何かどろりとしたものが俺の自身に塗りつけられる感覚に目を見張る。


「な…?」


「ん?俺の。…何、これで終わりだと思ってたわけ?
まだまだいけるだろ?こんなもの助走にすぎねぇから」


ニヤリと笑う猿。

俺の自身を嬉しそうにまた扱き始める。


「ああ、男初めてだったよな。一応穴も慣らしておかなきゃな」


「…や、めろっ!」


「そのうち俺が欲しいって懇願するぜ?泣きながらな。美咲?」




そして、猿比古は空が白み始めるまで俺を求め続けた。





その後も猿は俺を執拗に求め続けた。


仲間とHOMRAでいる時などは何も言ってこないくせに、

二人になれば嫉妬に狂ったように俺を攻め立て、俺の名前を呼び続けた。





俺も次第にそんな猿比古を受け入れていった。






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