薄桜鬼・妄想現パロ【Bride of cherry color.】#5 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。


第1話はこちらから → 



少し間が開いてしまい申し訳ありませんでしたm(_ _ )m




現パロにて設定、いつものようにキャラ崩壊あり。




それでも宜しければどうぞ。















「何、口説かれてたの?」


ニヤニヤと私を見ながら笑う総司が疎ましくて、視線を逸らして一口お酒を運ぶ。


「私をからかって遊んでただけだよ」


「本気でそう思ってる?」

覗き込もうとする総司に話を変えようと言葉をかける。


「総司、近藤さんは?」


「ん、もう帰った」


「土方さんたちと呑めばいいじゃない」


「ヤだよ。お酒がまずくなる。可愛い女の子と呑んだほうが美味しいに決まってるじゃない」

やっぱり総司は手強い。

お酒を口に運んで何て返そうか考えていると、目の前のグラスに伸びてきた大きな手。


「…グラス空いてるよ。まだ呑むよね?」


「…呑めるけど」

覗き込んできた視線の奥に何かを感じて、視線を逸らせばクスクスと笑う声が耳に届いた。


総司が頼んでくれたお酒は甘くて私好みだったけど、少しアルコールが強めな気がした。




「ね。もう一君と長いよね」


「…皆そればっかり」

あからさまに盛大に溜め息を吐いてやる。


「そろそろ飽きてきたんじゃない?」


「飽ーきーてーまーせーんー!」


「…ね、いい加減、僕と付き合ってよ。あ、お試しで付き合ってみる?飽きさせない自信あるけど」

そう言った総司に目を細めて視線を送る。


「…ね。総司」


「何?」


「酔っ払ってる?」


「酔っ払ってないけど?」


「総司だって、沢山言い寄ってくる女の子いるでしょ?そのコたちに…」


「マコちゃんが好きなんだからしょうがないじゃない」


「…えーっとね」


「どうしたら本気だってわかってもらえる?…こんなに好きなのに」

真剣な表情で私の顔を覗き込んでくる総司。



「…わ、たし一の所に」


「逃げないでよ」

カウンター席から降りようとすれば強く手を取られ、身体がビクッと反応してしまった。


「…っ」

困惑していれば弱められた力。


「ちょっと外すね」

総司の顔を見れば眉根を寄せて、でも口元に柔らかい笑みを浮かべていた。


総司が席を外した後で、脱力任せにカウンターに突っ伏してみる。


今日の総司は…いつもよりしつこい。


この間に帰ってしまおうか。


総司は私の気持ちなんてとっくにわかってるはずなのに、どうして?


総司、いつもとまた違った。

…本気、ってことなのかな?


あー…呑みすぎたのかも。

帰りたいけど、一はまだ土方さんと呑みたいんだろうな~。




不意にトントンと肩を叩く感覚。


どうせ総司だと思った私は瞼を伏せたまま身体をゆっくりと起こして、こめかみに指を宛てる。



私には一しかいない。

一しかいらない。

きちんと言葉にしよう。



そして少し、声を荒げながら口を開いた。



「あのねー!本っ当~に申し訳ないし、何度も言うんだけど。
好きなのも、ずーーーっと一緒にいたいのも、結婚したいのも一だけなの。分かってくれる?」






少しの沈黙。



反論がないな~と思って瞼を持ち上げれば。




目の前には目を見開いて固まっている一がいた。




『…う…そ…』


いつの間にか周りも静まり返って皆の視線を集めている。




「へぇ~、マコちゃんの方から公開プロポーズしちゃったんだ」

クスクスと笑いながら近づいてくる総司。


固まったまま顔がみるみる赤くなる一と私。


「ん??マコがプロポーズしたのか?一君はどうなんだよ?!」

平助の冷やかしのような言葉に一がビクンと身体を震わせる。



「マ、マコ…。そ、その、俺は…おま…」


「ちょ、待って!!待って!!ストップ!!!」

耳まで赤く染まっていく一の言葉を私は無理やり遮る。


「??!」

困惑したような一の腕を取って、私は入口に向かって歩き出す。



「千鶴!平助!ごめん、帰る!」


「お、おう」

半ば強引に言葉を投げた私に平助も驚きつつ応える。



「あ、マコちゃん待って!!」

千鶴が会場の端から急ぎ足で私たちの元に駆け寄ってくる。

手には式に使っていたブーケを持って。


「最後に渡そうと思ってたんだけど、このブーケ、受け取ってもらえるかな?」


「え…?…でも…いいの?」

ブーケを見て、千鶴に視線を移せば千鶴がふんわりと笑う。


「勿論!私がマコちゃんに渡したかったんだもの」


「マコ、ずっと千鶴がさ、ブーケはマコに渡すんだってかなり前から言ってたんだよ。
だから受け取ってやってくんねぇかな?」

千鶴の隣に寄り添うように現れた平助。

千鶴も平助の言葉にうんうんと頷く。


二人の笑顔に私も嬉しさが込み上げて来る。


「…ありがと。どうしよう、嬉しい」

綺麗なブーケを受け取り、胸元に寄せる。

自然と零れる笑み。

何だかくすぐったいような甘さが胸に広がる。




ふと気付けば。

まだ会場の視線を集めたままな私たち。


「え…と。帰る、ね?」

恥ずかしさと気まずさから言葉を零す。


「うん、気をつけてね!今日は本当にどうもありがとう」


「うん、こちらこそ!本当におめでとう!」

二人に笑みを向けて、私に続いて二人に言葉をかけていた一を置いて、
私は逃げるように会場を抜け出した。






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明日はちょっと番外編的な感じ。


最終話は明後日の予定です。



宜しくお願いしますm(_ _ )m




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みふゆ