薄桜鬼・現パロ短編【Her jealousy, jealousy of him.】#2 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。



現パロ。


隊士たちは美容師設定です。



このお話の#1はこちら → 





いつものように拙いお話です。



キャラ崩壊ありです。



それでも宜しい方だけどうぞ。

















ふわふわとする身体。


傾く身体を支えてくれる腕。



「ほら、言わんこっちゃねー。飲み過ぎだって…」


「…大丈夫。…ありがとうございます。立ったら急に…酔いが…」

平助さんに支えられて、お礼を言う。


自分的には大丈夫なんだけど…。


左之はこんな私を見て呆れるだろうな。




メルを打ち終わった総司さんが私の前で背を向けて屈む。


「仕方ないなぁ…。ほら、美奏ちゃん。乗って?」


「え…!いい!いいです!」

私は首を横にぶんぶんと振って断る。


「そんなこと言うんだったらお姫様抱っこするよ?」


「え!困る!」

ニヤリと口角を上げる総司さんに私は声を上げた。


「じゃあ早く乗りなよ」

背に身体を預ければすぐさま目線が高くなる。


「あ、お願いだから戻したりしないでね」


「そこまで酔ってません!」

からかうような総司さんの声に、否定しながらパシパシと肩を軽く叩く。



『総司さんの背中も大きいんだ…。左之みたい』



『左之会いたいなー…。帰ったらちゃんと謝ろう』


私は一つ溜め息を吐いた。












店を閉めたあと、俺はあれから帰る気にもなれずに、
店のソファに身体を投げ出し、ぼんやりとしていた。



『見てたのか…』


昔からの常連客のマコは俺を贔屓にしてくれ、指名をしてくれる。

(まぁ、本当は斎藤が一番いいらしいが)

昔からスキンシップが多い奴だったが…、それは美奏には何の言い訳にもならない。



あの表情や態度を見れば美奏を傷つけてしまったのは事実で。


これくらいのことで別れるような俺達ではないと言い切れるものの、

普段は店に寄り付かない美奏の不安を更に煽ってしまった。



『俺の気持ちや頭の中、全部美奏に見せることが出来たらいいのにな…』


溜め息を一つ零す。


俺の中で美奏がどれくらい占めてるかを見せてやりたい。


どれだけ美奏を想ってて、

どれだけ美奏に心も身体も溺れてるのかを。




俺だって、美奏にヤキモチを焼く。


総司や平助と笑顔で話してる時は心中穏やかじゃねぇし。


あいつらに目の前で見せ付けてやろうとか思うこともしばしばだ。



美奏の会社の顔の見えない奴らにまで嫉妬しそうになる。

(最近美奏の話に良く出てくる海外事業部のロックオンなんちゃらが、
フェミニストだの、レディーファーストだのそんなこと知ったこっちゃねぇ)



過去には週に3日も会えりゃ充分な女もいたけど、美奏は違う。


やっと出会えた女だと心底思う。


居心地もよけりゃ、身体の相性もいい。


それくらい最高の女に会えたと思ってる。



だから会えない時間には恋焦がれる想いは募るし、

会えたときには早くこの腕の中で閉じ込めたいと思う。



『…溺れてんなぁ』


ここまで考えて自嘲した。




そんな時、携帯から「ピピッ」とメルが入った音がした。


メルを開けば、総司からで。



「「どこかの誰かさん酔っ払ってるんですけど。

早く駅に迎えに来ないと連れて帰るからね(`ω´)」」



俺は慌てて店出て、駅まで駆け出した。









「美奏!」


「…左之?」


駅の側まで来ると呼びかけられ、そこには肩で息する左之がいた。


視線が絡む。



「…あれ、もう来たの?」

総司さんが残念そうに声をあげれば、


「…何でおんぶしてんだよ」

左之は普段より低い声で総司さんを睨みつけた。


「何でってフラフラしてる女の子をそのまま歩かしてもコケるだけでしょ?」


「そうだぜ、左之さん。その言い方ないんじゃね?」

呆れたように総司さんが息を一つ吐くとともに言葉を零せば、
平助さんが同意して言葉を続けた。


「…わりぃ」

溜め息を大きく一つ零した左之は眉根を寄せて、私を見つめる。



「じゃあ降りてくれる?美奏ちゃん。それともこのまま僕の家まで行く?」


「お、降ります!」

私の方に顔を向けながらニヤリと笑う総司さんに、私は訴えた。


「なんだ、そのまま頂こうと思ったのに。残念」

クスリと笑った総司さんがそっと私を下ろしてくれる。


「あ、あの…、ありがとうございました」


「どういたしまして。またいつでもおんぶでも抱っこでもしてあげるからね。じゃあ平助行こうか」

私が軽く頭を下げるとにこやかに総司さんは応えてくれた。


「じゃあまたな、美奏。また飲もうぜ!じゃあな、左之さん」


「明日も宜しくね~」

ひらひらと手を振りながら、二人は人混みの中へと消えていった。







「…行くか」


「…うん…」

左之の言葉に小さく頷く。


左之が私に背を向けて屈む。



「ほら、乗れよ」


「い、いいよ…」


「総司は乗れて俺はダメなのか?」

不満気な視線と声にたじろいでしまう。


「…そんなことないけど…」


「ほら」


「…うん」

促されて、左之の背中に身体を預ける。


総司さんの時とは違い、頬も首元に寄せる。


すると左之の匂いが鼻をかすめる。


落ち着いていく気持ちと湧き上がってくる感情。



『ああ、やっぱり左之が好きなんだ』

私は後ろから首元に回していた腕を更にぎゅっと力を入れて抱きしめた。



「どした?」

それに気付いた左之が問いかけてくる。


「あ…のね。ごめんなさい」


「いや、俺の方こそ悪かった。ごめん。…抱きつかれるなんてことはそうそうあることじゃねぇし。
その…」

左之が言葉を探すのを待てずに口を開いた。



「あのね…。予想はしてたの。きっと左之は皆に優しいし。その優しさも私は魅かれたから。
…相手はお客さんだし、下手に避けて評判悪くなっちゃたりしたら大変だもんね…」


私の言葉を聞いた左之がすっと顔を私の方に向ける。

私もその動きに応えるように顔を覗き込むように顔を傾けた。



「…美奏。俺は好きなのはお前だけだ。…お前以外いらない」



「…左之…」

左之の優しい瞳とその言葉で一瞬で胸に甘酸っぱいものが広がる。


途端に緩んでしまう頬が恥ずかしい。



「私も…左之だけだよ。大好き」


恥ずかしくて顔を見せたくなかったから、耳元で囁いてみた。


「っ!…お前、それ反則」


左之は照れを隠すように少し俯いた。


そんな左之が可愛くて私はクスクスと笑ってしまった。











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今日中に#3アップは無理です、ごめんなさいm(_ _ )m






みふゆ