現パロ。
隊士?たちは美容師さん設定です。
キャラ崩壊あり。
それでも宜しければどうぞ。
ああ!前記事は読んでいただけました?
読んでない方は先に素敵な左之さんを見てくださいね! → ★
3人は明日も仕事だからと22時過ぎた頃に店を出た。
駅前で総司さんと平助さんを見送る。
「美奏ちゃん、うちの店気に入ってくれた?」
総司さんが私の顔を覗き込む。
「はい!美容室自体久しぶりに行きましたけど、気分転換にもなるし、いいですね!」
「良かった。じゃあまたうちの店に来てね」
「はい!こちらこそお願いします」
総司さんの笑顔に応えるように私も自然と笑顔となって頭を下げた。
「今度は美奏ちゃんの髪、僕に切らしてよ。また左之さんとは違う可愛さ、引き出してあげる」
「ばぁーか、美奏は俺のもんだ」
「ふぇ?!」
その言葉に驚いた途端に肩をグイっと引き寄せられたかと思えば、
私は原田さんの胸元に寄せられていた。
顔がみるみる赤くなるのが自分でもわかる。
お酒を呑んだせい…だけじゃない。
「左之さん…、それ言うなら『俺の客』だろ?美奏抱き寄せちゃったりしてさ」
呆れ気味に言う平助さんの言葉に我に返った原田さん。
「わ、わりぃ」
パッと手を離して、私に謝る。
「い、いえ…」
恥ずかしくて俯いたまま、首を横に振った。
「美奏ちゃん、一人じゃ危ないから左之さんに送ってもらいなよ。左之さん、送り狼なんてならないでよ?」
「美奏!いくら左之さんが上手くても流されちゃダメだぞ!嫌ならちゃんと嫌って言えよ!!」
「…平助さん…」
私はその言葉に呆れてしまった。
そして平助さんは総司さんからボディブロー、原田さんから拳骨を貰ってた…。
…こんなカッコいい人が私とそんな関係になるわけないのに、ね。
「じゃあまた明日宜しくな~」
「遅刻したらごめんね、左之さん」
「…土方さんと近藤さん、どっちがいい?」
にこやかに笑う総司さんに左之さんが不敵に笑う。
途端に総司さんが表情を曇らせて、溜め息を吐いた。
「わかりましたよ、ちゃんと行きますってば。美奏ちゃん、またね」
「またな、美奏!」
「騒がしい奴らでごめんな?」
見送ったあと、原田さんが少し申し訳なさそうに溜め息と共に零した。
「いえ、とっても楽しかったです」
「そう言って貰えてよかった」
私が笑顔で応えると原田さんも笑顔で応えてくれた。
「美奏の家はどっちだ?」
「ホントに送ってくれるんですか?私一人でも…」
「だーめーだ。送らせろ。な?」
「…はい」
少し強引な物言いに反論する気も起こらなかった。
「じゃあお言葉に甘えますね?こっちです…。」
『こんなカッコいい人と並んで歩くなんて恥ずかしいな』とか思いながら、
原田さんが気を遣ってか他愛もない話をしてくれる。
『優しいんだな』なんて、思ってしまう。
千景といる時はいつも私が話してた。
それが私たちの関係だったけど…。
『千景は私の何処を好きでいてくれたのかな』なんてぼんやりと考えてた。
「危なっ!!」
「きゃっ!!」
大声を出した原田さんが私の二の腕を掴んでグッと胸元に引き寄せる。
「ったく、危ねぇチャリだな。大丈夫か?」
「す、すみません。ありがとうございました」
びっくりしたのと、引き寄せられてる状態に思わず声が上ずってしまった。
「何か考えてたのか?って…考えるよな、わりぃ」
気まずそうに言葉を零した原田さん。
『そ、そうじゃなくて…この状態が…』
また鼻に掠めた原田さんの匂い。
私はみるみる顔が熱く赤くなる。
「い、いえ。気にしないでください!…あ、あの…」
「ん?…あ!ああ…わりぃ」
多分原田さんを見上げる私の顔は真っ赤で、それに気付いた原田さん。
そっと腕を解放して…。私の頭を大きな手でぽんと撫でた。
「あのさ、こっちの方向だともしかして家って壬生が丘か?」
「はい、そうです」
「ほんとか?何丁目だ?」
「2丁目です」
「俺、3丁目だ。結構近かったんだな」
「ええ!ほんとですか?」
「じゃあもうすぐか?」
「あ、はい。あそこのマンションです」
「へぇ~。」
そしてあっという間にマンションの前に着いた。
「じゃあ。送っていただいてありがとうございました。髪も素敵にしていただいて。ホントありがとうございます」
改めて原田さんに向かって、お礼を言って頭を下げた。
「ああ、ベリーショートにしたいって言うならまた店に来てくれな?愚痴言いにだけに店に来たっていい」
そう言ってまた原田さんは頭をぽんぽんと撫でる。
『これはもう原田さんのクセみたいなものなんだろうな』
思わず口元に笑みが零れる。
「はい!ありがとうございます!…じゃあ…、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
『…名残惜しい気がするのは…何でだろ。寂しいから?』
「あ、あの!」
「ん?」
声を上げて見上げると原田さんが眉を上げた。
「…お仕事、頑張ってください」
「ありがとな。……あー…、一人で…大丈夫か?」
ふっと笑って応えてくれたけど、すぐ軽く眉根を寄せて私を見返した。
「はい!原田さんたちと楽しい時間過ごせたので大丈夫です!」
「そか…」
私が笑顔で応えると原田さんは小さく息を吐いて口元に笑みを浮かべた。
「はい!」
「じゃあまたな」
「おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
私はマンションの入り口を開けて中に入る。
エレベータのボタンを押してゆっくり振り返る。
するとさっきの場所にはまだ原田さんがいて、優しく笑いながらひらひらと手を振ってくれた。
『ホント優しい人なんだな』
私は頭を軽く下げて、ドアの開いたエレベータに乗り、『閉まる』ボタンを押す。
まだ見送ってくれてた原田さんに閉まるドアの隙間から手を振った。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
。。。あれ、4話で終わるって言ったの誰だっけ。←
プロフ絵を美奏ちゃんが描いてくれた左之さんにしました。
美奏ちゃん、ありがとう!!
連載中はこのプロフ絵にさせてもらおうと思ってます!
みふゆ