薄桜鬼・妄想小説【白雨の恋】最終話 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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第1話はこちらから→




「白雨の恋」最終話となりました。

沢山のコメント、ペタありがとうございましたm(_ _ )m




いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。



かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。

















茜の輿入れの後。


たまに青山家の家の前の路を歩いてみる。


『いるはずねーのにな、俺は何を期待してんだか』

自嘲する平助。

あの夜の茜を思い出しては胸が締め付けられた。




平助は半年近く江戸に留まったが、二人は会うことはなかった。


その後、隊士募集の役目を終えた平助は京に戻る。









3年の時が経ち、夜更けに霜月の月を見上げて独り思う。


『茜…、色々考えて…色々あったけど…、
俺にはやっぱり新撰組しかなかったみたいだ。

生き延びて…羅刹ってやつになったけど。

生き延びて…もう一度お前に会いたいんだ…。

なぁ、茜…お前は幸せか?

…あの約束はまだ有効か?』


月に伸ばした手は空を掠める。







時代は瞬く間に動き、新撰組もその流れの中に翻弄されていく。


鳥羽・伏見の戦いで江戸へと退いてきた新撰組。




夕方近く、永倉と所用で町に出ていた。

「ああ~。何かまだ洋装がしっくりこねー」
身体を解すようにして歩く平助。

「まあ、習うより慣れろってこったな」
同じように肩を解す永倉。


「あ~、腹減ったな。蕎麦でも軽くいっとくか?」

「しんぱっつぁ~ん。飯前だぜ?ここは大人しく帰っておこうって」
溜め息混じりに永倉を促す。


「そう言わずに付き合えって~」

「ヤだね。あ…」


鼻の頭に雫がつく。

空を見上げると次々と雨粒が落ちてくる。


「うわー」

「この時期に珍しいな。夕立だな、こりゃ。諦めるか」



人々は小走りしたり、軒に身を寄せたり。

そんな中、新八と平助は人を避けながら駆け抜けていく。



前から傘を差した男女が歩いてくる。


男は傘を差していて顔は見えなかったが、
女は男を見上げて微笑んでいた。


繋がれた手。


女は茜だった。

男は夫である椎名であろう。



約3年振りに見た茜は相変わらず美しかったが、
あの頃より顔は痩せ細ったように感じた。



気づかずに平助の横を通りすぎる茜。


足を止めて二人の後ろ姿を濡れながら見る平助。



「おい、平助!置いていくぞ!」

背中越しに新八の呼ぶ声が聞こえた。




茜は立ち止まり、後ろを振り返る。



一瞬、目が会った。



平助は茜を見つめて口角をあげる。


茜は驚き、目を見開く。



平助はすぐさま踵を返し、走り出す。




「どうした、いい女でもいたか?」
走りながら横目でニヤニヤと笑う新八。


「すんげー美人だった」


「ホントか?勿体ないことしたな~。一目拝んどけば良かったぜ」


「しんぱっつぁんにはあんな美人似合ねーよ」

走りながらカラカラと笑う平助。




『茜、お前が幸せならそれでいい』





夕立は止み、雲の切れ間から茜色の空が見えた。


平助はそれを眩しそうに見つめ、口元には笑みが零れた。












◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇







はい。「白雨の恋」最終話でした。


どんな些細な言葉でも構いません。


お言葉残していただければ幸いです。



ありがとうございましたm(_ _ )m



明日、あとがき書きまーす。





みふゆ