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第1話はこちらから→★
いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。
かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。
江戸に着いて以降、伊東道場に通いながらも隊士募集のため、
他の伝手のある道場などにも顔を出し始める。
道場主などに会い、協力を仰ぐ。
池田屋事件での新撰組の活躍は江戸にも届いていたらしく、皆快く接してくれていた。
『これなら隊士も結構集まるかもしんねーな』
平助は各道場に足繁く通いながら、手ごたえを感じていた。
『…また、茜んとこ行ってみるか。あのままは何か…嫌だし』
茜の家まで足を運ぶ。
挨拶が面倒なので、昔のように直接、中庭から縁側に上がり部屋に行く。
障子戸の前でほんの少しの躊躇い。
「…茜、いるか?」
「…平ちゃん?」
「ああ」
「どうぞ」
障子戸を開ける。
そこにはこの間とは打って変わって、
上体を起こし優しい笑みを浮かべる茜がいた。
「今日は気分も機嫌も良さそうだな?」
軽く息を吐いて口元に笑みを浮かべた。
「平ちゃん、ごめんなさい。この間はいきなり怒鳴りつけたりしちゃって」
茜が頭を下げる。
「いいって。そりゃびっくりしたけどさ。…お前、何かあったのか?」
胡坐をかきながら、茜の顔を覗き込む。
「…。…今日、天気いい?」
平助の問いには答えず、庭の方を見る。
「…ああ、良い天気だ」
「庭を見ながら話したいな。縁側にいこ?」
「おう」
立ち上がり、ふらつく茜。
すぐさま支える平助。
「…ごめん」
「お前ずっと寝てんのか?少しは体力つけろよ?」
「ん。大丈夫だよ。立ち眩み起こしただけ」
茜が柔らかく笑う。
縁側に茜が座り、少し距離を置いて平助が座る。
「平ちゃん、変わんないね。父様や母様より私の身体を心配してくれてる」
ふふと笑う茜。
「あ、でも京行ったから?何かまた体つきが大きくなったね。剣士って感じ」
まじまじと平助を見ながら言う茜。
「そっか?毎日俺より大きい連中達と一緒にいるからよくわかんねー」
少し照れたように茜から視線を反らして応える平助。
「かっこよくなった」
口角を上げて平助の顔を覗き込む。
「馬鹿。からかってんじゃねーよ」
少し頬を染めて口を尖らせる。
「茜は…また綺麗になったな」
ぼそっと呟く声。
「ん?よく聞こえなかった」
笑いながら平助を見る茜。
「…嘘だ、聞こえてんだろ?」
照れ隠しのように目を細めて茜を見る。
「本当だってー」
「嫌だ、絶対言わねー」
カラカラと笑いあう二人。
「ね、平ちゃん。平ちゃん来てくれたら、昔二人でよく食べてたお団子思い出しちゃった」
「あー。懐かしいな。よくここで食べたっけ」
庭に視線を向けて平助は応える。
「ね。買ってきて?」
「は?今から?」
目を丸くする平助。
「うん、今から」
屈託のない笑顔で応える茜。
「ったくしょうがねーな。じゃあちょっと行ってきてやるよ。大人しく待ってろよ?」
立ち上がりながら茜を見やる。
「いってらっしゃい」
平助の後姿を見送る茜。
「…ごめんね?平ちゃん」
後姿に呟いた。
袂から鈴を取り出し、鳴らす。
少ししてたえが姿を現す。
「あら、縁側にいらっしゃるなんて珍しいですね」
「うん、平ちゃんが来てたの。お団子買ってきてくれるからお茶持ってきて欲しい」
「かしこまりました」
たえが笑顔で応える。
「…たえさん」
「何です?」
「平ちゃんには言わないでね?」
少し眉間に皺を寄せ、物悲しげな茜。
「承知しております」
「よかった。ありがとう」
ふわりと笑う。
姿を見せて近寄ってくる平助の笑顔に茜の顔も綻ぶ。
「ただいま」
「おかえり」
茜の隣にトンと腰を下ろす平助。
「とりあえずみたらしとあんこと黄粉2本ずつ買ってきたけど、茜、どれがいい?」
たえが持ってきてくれた皿の上で団子を広げる。
「ん~。みたらし?」
「だと思った。昔から好きだもんな」
茜に笑いかける平助。
「後は全部平ちゃん食べていいよ?」
「そっか?まあ余ったらおじさんやおばさん、たえさんにもあげればいいよな」
「…平ちゃん優しいね」
「そうでもねーよ」
ニカっと笑う平助。
庭を眺めながら、二人で団子を頬張る。
「平ちゃんは元気だった?」
「見ての通り」
頷きながら応える。
「…江戸には隊士募集で来たんだっけ?」
「そ。池田屋事件での新撰組の働きが認められてさ、
隊士を広く募集しようってことになって。
俺が先行して江戸に来たってわけ」
「そっか。平ちゃん凄いね」
「んなことねーよ」
「楽しそうだね?」
「あー…。新撰組の連中は皆良いヤツばっかで楽しいけど…
やってることは…人斬りだったりするからな。
いつも楽しいってわけじゃねーよ」
「そっか…ごめん」
少し俯く茜。
「謝んなくていいって」
笑顔を向ける平助。
ふと目に止まる茜の口元。
「…茜、こっち見て。みたらしのタレついてる」
茜の口元についたタレを平助は自分の親指で拭って
口元に運びぺろっと舐めた。
その様に茜は頬を染め少し俯いた。
「ん?どした?」
「…平ちゃんも口についてる」
茜は平助がしたように平助の口元のあんこと黄粉を
親指で拭ってペロッと舐めた。
「お返し」
ふふと茜が笑う。
「ばっ!恥ずかしいことしてんじゃねーよ!」
頬を染めながら声を上げる平助。
「最初にやったのは平ちゃんでしょ?」
「あ…そか。」
互いに見合い笑う。
「ねぇ、じゃあまだしばらく江戸にはいるんでしょ?」
「ああ。」
口元に笑みを浮かべる。
「また時間がある時、会いにきてくれる?」
「…わかった。忙しいからしょっちゅう来れるとは限らねーけど」
「おし、じゃあ行くわ。部屋まで戻れるか?」
立ち上がる平助。
「平ちゃんに送って欲しい」
上目遣いで平助を見る茜。
「はぁ?送って欲しいってすぐそこだろ?」
平助の投げた言葉に茜はじっと平助を見上げていた。
「わかったよ。ほら」
差し出された手。
「ありがと」
嬉しそうにその手をとる茜の手。
部屋まで手を引き、布団まで送る束の間の距離。
「ありがと。今日は平ちゃんと沢山話せたから良く眠れそう」
「そっか」
茜の言葉に笑顔で応える平助。
「じゃあな」
「うん。会いにきてくれてありがと」
柔らかな笑みを浮かべる。
「あ。待って、平ちゃん。次に会いに来てくれるときでいいからお使い頼んで良い?」
「いいけど、何?」
「風鈴」
「風鈴?」
少し目を丸くする平助。
「うん、毎日暑いでしょ?風鈴の音が聞きたくなって。お代は後で渡すから」
「わかった。どんなのがいい?」
口元には笑みを浮かべる。
「平ちゃんが選んで?」
茜も笑みで応える。
「…わかった。じゃあもう行くから」
「うん」
障子戸が閉まる。
障子戸に写った影を茜は見送っていた。
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ちゃんと平ちゃんになってますかねぇ。。。
若干、不安なみふゆがいます。
でも指摘されてもきっと直せないww←不器用ですからw
みふゆ