薄桜鬼・妄想小説【空が鳴っている】第13話 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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第1話はこちらから→






キャラ崩壊、設定無視など、かなりのお目汚しです。


それでも宜しい方はどうぞ。












かなめは沖田に両の手で横抱きされたまま、土方の部屋に着いた。


「…降ろしてください。お願いします」

「そんな上目遣いでお願いされたら、言うこと聞かないわけにはいかないよね」

少し残念そうに笑う沖田はそっとかなめを下ろす。


後ろから付いて来ていた山崎が声をかける。

「副長。唐沢君を連れてきました」

「入れ。」

「失礼します。」

「…失礼します。」

山崎のあとにかなめが続く。


最後に入ってきた沖田の姿を見て、土方は大きなため息をついた。

「総司。てめぇは部屋へ戻れ」

「別に僕がいたっていい話じゃないですか」

「そんなことじゃねぇ。てめぇの身体に障るってんだよ」

土方が沖田を睨みつける。


「はいはい。かなめちゃんのお陰で最近は調子もいいんですけどね」

渋々、沖田は部屋を出て行った。








「かなめ。怪我はないか」

土方はかなめを見やる。


「はい、山崎さんと沖田さんに助けていただいたので大丈夫でした。」

「ならいい。早速だが…さっきお前が見たものの話をしよう」

土方はかなめに羅刹の説明をする。


変若水…傷の回復、力の増強になるが血に狂う…心臓を貫けば死…


説明を受けながら、かなめにはふつふつと怒りが湧いて来た。


「本当は幹部しか知らないことだ。事情を知ってしまった以上本来なら殺すのだが、
お前は松本先生から預かった身だ。殺しはしない。だが他言は禁止する。」


「…このような行為をして、許されると思っておいでですか!」

かなめは土方を睨んだ。


「…幕府の命令だ。背く事は出来ん」

まっすぐかなめを見据える土方。


「先生は…松本先生はこのことはご存知なのですかっ!」

「知っている」

かなめは息を呑んだ。


「なっ…!先生はっ!」

「松本先生もお前と同じように俺たちを止めようとした。
だがもう俺たちを止められない」

「土方さんっ!土方さんが止めようとすれば止まるはずっ!!」

「羅刹とはもう切っても切れねーんだ…」

土方は目を伏せる。


「山崎さんっ!貴方も羅刹を認められるのですかっ!!医学に携わる貴方がっ!」

山崎を見、声をあげるかなめ。

「…それが新撰組の意志だ」

「なっ…!」


少しの沈黙の後、土方が口を開く。


「…山南さんという新撰組の総長がいる。お前は会ったことのない人だ。
その人自身が羅刹で今も生きている。俺たちはその人を見捨てるわけにはいかないんだ」

「そんな…」

かなめは虚無感に襲われる。


「かなめ。今夜の件はすまなかった。もう寝てくれ。
明日はお前もゆっくり休め」

山崎と共にかなめは土方の部屋をあとにする。










「…今夜は医務所で休むかい?あの部屋だと辛いだろう?」

かなめは自分の部屋でいることを想像するだけで足がすくむ。


「羅刹のことは考えなくていい。今日はもう大丈夫だろう。…何があっても俺が君を守る」

山崎のまっすぐな目にかなめは安心感と共に胸の高鳴りを覚えた。


「あの…山崎さん…我が儘言ってもいいですか?」

「何だい?」

「今夜、一緒にいていただけないですか?」

泣きそうなその表情に山崎は今すぐにでもかなめを抱きしめたくなった。

拳を握り、その感情を押し殺す。


「…最初からそのつもりだよ」

山崎が笑いかける。

「…ありがとうございます」

かなめはそっと微笑んだ。








医務所に入る山崎とかなめ。


「君は横になるといい。俺は部屋で着替えてくる。少し待っていてくれ」

「はい…」

山崎が部屋を出る。


少しの静けさが先程の羅刹の姿が頭をよぎり、かなめは震えだした自身の肩を抱いた。

スッと開いた障子に身体がびくっと震え、表情は硬くなる。

「どうしたんだい?」

「山崎さん…ぃえ、ごめんなさい。怖くなってしまって…」

安堵のような泣きそうな表情をしたかなめがそこにいた。










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ここでは土方さんをじっくり描きたかったんですが。


描けてるんでしょうか…f^_^;ははは。



さて。さて。


ザッキとかなめちゃん、今晩一緒にいるんだってさ~( ´艸`)





みふゆ