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最終話です。
沢山のコメント、ペタなど
本当にありがとうございます。
最終話、長めとなってます。
表現に過激な部分があります。
血が苦手な方にはお勧めしませんm(_ _ )m
かなりのお目汚しです。
それでも宜しい方はどうぞ。
「来い!」
風間は美桜の左腕を掴み、美桜を立たせる。
「止めてくださいっ!」
風間の強い力を振りほどくなど到底無理だった。
「…風間」
廊下から声がした。
「またお前か、天霧」
「何故またその人間の女を連れ去るのです」
「五月蝿い」
風間と天霧が口論するなか、
美桜の目にある決意が浮かぶ。
美桜はそっと左の袂を探る。
「見ればその女は嫌がっている様子。
その女に溺れているのは風間、貴方ではないのですか」
「黙れ!」
瞬間。
美桜が剃刀で自身の首を掻ききった。
「なっ…!」
目を見張る風間。
部屋中に勢いよく飛び散る美桜の鮮血。
風間や天霧にも降りかかる。
「…何ということを」
天霧が呟く。
崩れ落ちる美桜の腕を風間は離す。
「…興が削がれた」
風間は姿を消す。
佇む天霧。
縁側から人の気配がした。
「美桜!何処にいる!美桜!」
沖田が叫ぶ。
その光景に一同は目を見開く。
「美桜っ!」
沖田が駆け寄り、仰向けに倒れている美桜を抱き抱える。
「貴様っ!」
斎藤が天霧に斬り込む。
斬撃を受け止める天霧。
「すまない…。止めることが出来なかった」
その言葉に斎藤は天霧がやったわけではないことを理解した。
斎藤は剣を収める。
天霧は美桜に一礼をして消えて行った。
「そ… じ… さ… 」
ヒューヒューと喉元から息が漏れる音がする。
様子を見ていた山崎は斎藤を見て首を振る。
斎藤は頷き、山崎は立ち去った。
「そ… じ… さ…」
「美桜、話さなくていい。大丈夫。わかっているよ」
沖田の声は穏やかでとても優しい声だった。
「あいつが来たんだね」
目で頷く美桜。
「…良くやったね、美桜」
美桜がゆっくりと沖田に手を伸ばす。
その手を取り、沖田は手にあった美桜の血の滴を舐めた。
そして自分の頬に当てる。
沖田の頬は美桜の血で染まった。
「あいつにまた連れ去られるくらいなら、
僕が君を殺したよ」
目で頷く美桜。
ヒューヒューと漏れる音が緩やかになっていく。
「すぐに美桜と逝きたい気持ちもあるけれど
もう少し新選組にいたいんだ。
まだこんな僕でも皆の…、近藤さんの役に立てるなら」
目で頷く美桜。
口元には少しの笑みがあった。
沖田の言葉を聞いて、斎藤は廊下に出た。
庭の木々たちが月の光に浮かび上がる。
『…雲が晴れた…か…』
庭の桜の葉が揺れる音がした。
「美桜、少しだけ向こうで待っていてくれるかな?
僕も直に逝くから」
沖田は美桜の唇に口付けを落とす。
「美桜、今までも、これからも、ずっと好きだよ。
誰よりも君を愛している…」
美桜は静かに目を閉じていく。
頬には一筋の涙が伝っていった。
沖田はそっと美桜の瞼に口付けを落とした。
それはあたかも
深紅の桜の花吹雪の中で
愛する男に抱かれ、
幸せそうに眠る女の姿だった。
終。
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どんな些細な言葉でも構いません。
御言葉残して頂けたら幸いです。
ありがとうございました。
明日、キャラ出演の後書き書きます←
みふゆ