薄桜鬼・妄想小説【花吹雪】最終話 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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最終話です。


沢山のコメント、ペタなど

本当にありがとうございます。



最終話、長めとなってます。


表現に過激な部分があります。

血が苦手な方にはお勧めしませんm(_ _ )m




かなりのお目汚しです。

それでも宜しい方はどうぞ。
















「来い!」

風間は美桜の左腕を掴み、美桜を立たせる。


「止めてくださいっ!」

風間の強い力を振りほどくなど到底無理だった。





「…風間」

廊下から声がした。



「またお前か、天霧」


「何故またその人間の女を連れ去るのです」


「五月蝿い」



風間と天霧が口論するなか、

美桜の目にある決意が浮かぶ。



美桜はそっと左の袂を探る。



「見ればその女は嫌がっている様子。

その女に溺れているのは風間、貴方ではないのですか」


「黙れ!」





瞬間。



美桜が剃刀で自身の首を掻ききった。






「なっ…!」

目を見張る風間。



部屋中に勢いよく飛び散る美桜の鮮血。



風間や天霧にも降りかかる。



「…何ということを」

天霧が呟く。



崩れ落ちる美桜の腕を風間は離す。





「…興が削がれた」

風間は姿を消す。




佇む天霧。







縁側から人の気配がした。



「美桜!何処にいる!美桜!」

沖田が叫ぶ。



その光景に一同は目を見開く。



「美桜っ!」


沖田が駆け寄り、仰向けに倒れている美桜を抱き抱える。





「貴様っ!」

斎藤が天霧に斬り込む。


斬撃を受け止める天霧。



「すまない…。止めることが出来なかった」


その言葉に斎藤は天霧がやったわけではないことを理解した。

斎藤は剣を収める。



天霧は美桜に一礼をして消えて行った。









「そ… じ… さ… 」


ヒューヒューと喉元から息が漏れる音がする。





様子を見ていた山崎は斎藤を見て首を振る。


斎藤は頷き、山崎は立ち去った。





「そ… じ… さ…」


「美桜、話さなくていい。大丈夫。わかっているよ」


沖田の声は穏やかでとても優しい声だった。





「あいつが来たんだね」


目で頷く美桜。





「…良くやったね、美桜」


美桜がゆっくりと沖田に手を伸ばす。

その手を取り、沖田は手にあった美桜の血の滴を舐めた。

そして自分の頬に当てる。

沖田の頬は美桜の血で染まった。





「あいつにまた連れ去られるくらいなら、

僕が君を殺したよ」


目で頷く美桜。

ヒューヒューと漏れる音が緩やかになっていく。





「すぐに美桜と逝きたい気持ちもあるけれど

もう少し新選組にいたいんだ。

まだこんな僕でも皆の…、近藤さんの役に立てるなら」


目で頷く美桜。

口元には少しの笑みがあった。






沖田の言葉を聞いて、斎藤は廊下に出た。


庭の木々たちが月の光に浮かび上がる。


『…雲が晴れた…か…』



庭の桜の葉が揺れる音がした。





「美桜、少しだけ向こうで待っていてくれるかな?

僕も直に逝くから」


沖田は美桜の唇に口付けを落とす。





「美桜、今までも、これからも、ずっと好きだよ。


誰よりも君を愛している…」





美桜は静かに目を閉じていく。


頬には一筋の涙が伝っていった。


沖田はそっと美桜の瞼に口付けを落とした。









それはあたかも


深紅の桜の花吹雪の中で


愛する男に抱かれ、


幸せそうに眠る女の姿だった。














終。










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どんな些細な言葉でも構いません。


御言葉残して頂けたら幸いです。


ありがとうございました。





明日、キャラ出演の後書き書きます←








みふゆ