私が我慢すれば、なんとかなる。
もっと努力すれば、変われば、きっと良くなる。
彼からは反省の言葉があるのだから、悪意があるわけでは無いと言っているのだから。
受け止めてあげなければ、理解してあげなければ。
きっと、いつかは、今度こそは、次こそは、明日こそは、今夜こそは。
私がもっと耐えなければ。
私がもっと我慢しなければ。
私がもっと頑張らなければ。
私がもっと傷つかない心を持たなければ。
傷つく私がおかしいのだから。
心が壊れて、泣くことがおかしいのだから。
私がおかしいのだから。
努力すれば、耐えていれば、きっと普通の幸せに。3人で幸せになれる。
初詣や、神社やお寺のお祭りでお願い事をするときは、決まっていた。
『どうか、何事もなく平穏無事に過ごせますように。どうか、どうかこれ以上酷い事が起きませんように。』
そして厄除けのお守りと、縁結びのお守りを買って、キーケースにつけていつも持ち歩いていた。
今思えば、欲張りだったと思う。
結婚相手が本質的に平穏を望まないのだから、それは無理なのだ。3人でなんて望みは叶わないのだ。
だから、縁結びのお守りをつけた年は、ママ友さんや新しい友人仲間が増えて、色々な情報を貰ったり支えてもらえた。
厄除けのお守りを身につけていると、ヤツは仕事が入ったと休暇の日に家を空ける事が多かったし、女を作ってご機嫌にしていた。私と娘は二人で出かけられて、ヤツから自由になれた。
ちゃんとご利益を頂いていた。神様仏様は、ちゃんと守ってくれていた。
私の願いは、そう思い込んでいた私の業は、紛い物の汚れた願いだったから。
私と娘の本当の幸せを、きっと望んで下さったのだと思う。