今、私はとある旅先の温泉旅館の一室にて、このブログを書いています。一回やってみたかってんですよ、こういうの。もちろんその方法は例のあれです。スマホに携帯型の折り畳み式キーボードってやつです。で、いったいなんの旅なのかということですが、ここが重要なポイントです。


だいたい温泉旅館ですからね。いやなんとなくフレーズ的にそういうのがいいのですが、よくよく考えると絶対旅館じゃないですね、ここは。ペンション?民宿?まあそんな安手のところなのですが、いずれにしても場所的にモーニング娘。やハロプロ系のイベントでないことは、すぐにお分かりになりますでしょう。


だったらいったいなんなのかと申し上げますと、ズバリ!明日、我が街から遠く離れたこの温泉地にてハーフマラソン大会が開催されるのです。私は、とうとうただ走るという行為のためだけに大枚をはたいて大会にエントリーし、新幹線を乗り継ぎ、温泉旅館(絶対旅館じゃありませんが)に前泊までするようになってしまったのです。


本当言うと、朝一番の新幹線で受付時間にギリギリ間に合うので、そんな前泊までしようなんてことは全然思ってなかったのですが、会社の同僚に温泉めぐりが趣味だなんて奴がいるものだから、たまたま聞いちゃったんですよ、「〇〇温泉行ったことある?」って。そしたらあれやこれやと説明が始まってですね、一頻り話が終わった頃にはもう私の心は固まっちゃって、彼おススメの温泉旅館(絶対旅館じゃありません!)に予約をいれちゃったわけです。


そして先程到着し、宴会を終え、温泉に浸かって今、部屋に戻ってきたところなのですが、あれ?宴会って、何人かで来てるの?とお思いでしょう。いいえ、そうではありません。私の場合、マラソンに関してはいつもひとり参加でございます。では、なぜ宴会なのかというとですね、ここがそういうところだからなのです。ああ、そういえば昔私が学生だった頃、軽井沢あたりのペンションが大はやりで、知らない者同士仲良くなってなんて話がありましたっけ。もっともこたびの宴会は、あれからざっと30年も経っているからでしょうか。その参加者も男女ともに物凄い高齢となっておりまして、私なんぞは完全にひよっ子あつかいなのです。


しかして彼らの目的は、私同様明日のハーフマラソンへの参加ということで、話の内容はもっぱらマラソン談義となるわけでございます。ご挨拶がてら当方の来歴について、そもそも友人と登山を始め、冬場のトレーニングにジムに通い、それが高じてマラソン大会に出るようになったなんて説明すると、向かいのご老人が私も同じですと応じます。お話を伺うと、53歳の時、山登りでどうしても腰が突っ張るのでジムに通い始め、60歳でフルマラソンデビュー、ベストタイムが3時間40分でそれが65歳の頃だったとのこと。昨年この大会で2時間15分という不甲斐ない記録に終わり、今回はリベンジで2時間を切りたいということですが、現在御年75歳でいらっしゃいます。


突然のライバル出現で、俄然ヤル気がみなぎってくるわけでございますが、いつの間にやら明日のスケジュールが話し合われ、ゴール後は皆で蕎麦屋で反省会と相成ることとなります。さて、私にとって第2回目となるハーフマラソン大会、果たして目標の2時間を切ることができるのだろうかと期待と高揚感で胸の高鳴りを感じつつ、きっと千曲川のほとりにそよぐであろう秋風に思いを馳せるのです。