サラリーマン稼業というものは、毎日毎日決まった時間に出社し、同じことを繰り返し、平々凡々とつつがなく日々を過ごすだけの全く退屈な生業であると思っていたとするならば、それは大間違いでございます。もちろん人それぞれ仕事に対する考え方があって、個人の意識やモチベーションによって大きく左右されるものなのでしょうが、概して波乱万丈に満ちたワンダーランドと言えるのではないでしょうか、なんて私などはそんな風に感じています。

 

さて、のっけから仕事の話を持ち出していったいなんだと思われることでしょう。実は今回ちょっとだけ触れたいことがあってですね。冒頭の書き出しは、いわゆるところの前フリというヤツなのでございます。しかしてその内容とは、まあ仕事をやってりゃ誰だって一度や二度、いやひょっとするとよくある出来事の部類に属する、言ってみりゃ単なる勘違い、思い違い、イージーミスの類いとなります。それだけを取り上げますと、どうかすると間違っちゃったの一言で片付けられ、いつしか忘却の彼方へと放擲される些末などうでもいい話でございます。

 

しかしながら須らく出来事には原因と結果があり、そしてそれが会社で起こったのであれば、必ずサラリーマンが主人公として登場し、その意識が如何様であるかによって物語は形成されていくのです。

 

先日、私は社内調査において重大インシデントを発見します。この時私がすべきことはひとつだけであり、即刻組織に報告する他ないのです。ただ報告するにしても事案概要を明らかにしなければならず、そのための調査が必要となるわけですが、この継続調査の段階で何かがおかしいことに気が付きます。つまり今自分の目の前に存在している事象が真実重大インシデントであるのか、はたまたそうでないのか判然としないのです。結論的には単なる勘違いであったのですが、ここに壮大なドラマが存在するのです。

 

とここまで書いてですね、この後あれこれと続けようと思っていたのですが、あまりに冗長に過ぎるので、単刀直入に申し上げると「仕事は面白くなきゃウソだ」ということでございます。

 

ところで最近仕事ばかりしていて、佐藤優樹さんを応援するブログと称しながら、彼女の動向がまったく追えていないという誠に不届き千万な体たらくに陥っているわけでございますが、先日放送されましたヤンタン2回目出演に関しまして、大変遅ればせながら少しばかりのコメントをさせて頂きとう存じます。

 

本来、佐藤オタを自認する者であるならば必ずやこのラジオ番組をリアルタイムで聴かなければならないところ、私その事前情報さえも入手できずにいました。いやもっと正確に言うと、放送の数日前、癒してハロプロにそのような記載があることを発見し、それですぐさまサトウマサキこと佐藤優樹ちゃんを応援するでしょで確認するのですが、ぱーっと見て「やっぱりデマか」と独りごちたのです。だってそうじゃないですか。前回の初出演であれだけ「最初で最後」を強調しておいて、本人自身かなり否定的な発言をしていたのだから、そんな簡単に第2回目が実現できるわけがないと思うのも無理はないでしょう。

 

ところがそれは本当だったのです。気がついたのは放送終了の1時間後です。寝る前にネットを眺めていたところ、突然その情報が私の眼前に飛び込んできました。私はたまらずベッドから飛び起き、デスクトップパソコンにかじりつきます。急いでラジコを検索し、タイムフリーで番組聴取を試みるも、まだ時間的に早くて上がっていません。何か方法がないかとあれこれ検索するのですが、どこにも見つかりません。もう一度ラジコに戻り、今度はエリアフリーでMBSラジオの番組表を検索します。そしてここでやっと私は、佐藤さんのヤンタン2回目出演を聴くことができるのです。もう既に私の眠気など遥か彼方に吹っ飛んでいます。

 

そしてそれから私はこの1回あたり1時間半の放送を都合3回繰り返し聴取します。その理由はいたって単純です。面白いからです。ドキドキするからです。この気持ちは、前回の初出演で感じた授業参観の我が子を見守るような不安感ではございません。一アイドルが芸能界の大御所明石家さんまさんや村上ショージさんと渡り合う痛快さです。彼女の武器は、芸能界においてピンで売れようと思ったことは一度もないという捨身技であり、ゴング開始と同時にそもそもヤンタンは出演したくないと吐露し、さんまさんをディスり、もう絶対来ないと宣言します。それでいて1時間半の殆どが彼女のペースで進行し、終始笑いが絶えないのです。

 

ここで私は道重さゆみさんの証言を持ち出したいと思います。かつて道重さんは佐藤さんについて「すべて佐藤の思い通り」と述べていました。この言葉はどのように評価されるべきなのでしょうか。そしてその佐藤さんは、ヤンタンを最初で最後の出演と言っておきながら、いとも簡単に二度目の出演を果たしてしまいます。いったい彼女にどのような未来が待ち受けているというのでしょう。今回の放送で彼女は様々な発言をしていましたが、それらは全て彼女の思惑のための一部分になるのだろうと推測します。それではその核心はなんであるかを考えると、それはやはりモーニング娘。のプロデューサーにほかならず、彼女は本気でモーニング娘。をドームに連れて行きたいと思っていると私は信じているのです。

 

仮に彼女の未来が明るいものであり、この後ヤンタンの再出演が続いてその延長としてテレビの世界にまで進出し、モーニング娘。の名が世間にかつてのV字回復以上に浸透して、遂には彼女の夢が実現したとするならば、つまりすべてが彼女の思い通りに事が進んで行ったとするならば、それは彼女自身原因と結果の理法をよくよく理解していることの証左となり、私達が一喜一憂する「出来事」をも操ることができるということになるのです。そして彼女はそうしたことをきっと頭では考えていなくて、まったく感覚的に、様々な場面で現れる岐路で瞬時に選んでいるのだろうと想像するのですが、それは彼女の天才と称される所以であり、またその論拠となるところは既にその過程が事実として存在していることを想起すべきなのでしょう。