7歳で娘が小児がんに

7歳で娘が小児がんに

2021年7月、小学1年の夏休み目前で娘に腎芽腫(ウィルムス腫瘍)が見つかりました。
当時のことを忘れないためにここに残します。
また、同じ病気と闘った人と出会えたらと言う願いを込めて。。。

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ウォームショックが落ち着いた2日後に、カテーテルの再挿入術をすることが決まりました。

 

やはり、採血の回数が多いために本人の負担が大きい、とのことです。

 

私も、そう思ったので、また手術なのは辛いけれど納得しました。

 

 

前日の夜、酸素マスクにかわいい絵を一緒に描きました。

 

娘はまた手術するの?とか、ちっくんいやだ・・・・とか、

私に言うことはありますが、先生や看護師さんに自分の気持ちを言うことがほとんどありませんでした。

 

とても人見知りが強く、なかなか自分の口から相手に自分の気持ちを伝えることができないのです。

 

 

 

カテーテルの手術も、私の前では泣いてみたりしていましたが、先生や看護師さんが、

 

がんばろうね

 

と言いに来ても、黙っているか、小さくうなづくだけでした。

 

 

1時間程度の手術とはいえ、心配と不安は尽きません。

10時間以上の手術に耐えることができた娘なのだから、今回も大丈夫だと自分に言い聞かせ

無事に目を覚ましますように、と祈りながら娘の帰りを待ちました。

 

 

 

カテーテルの再挿入は、前回と同じ方から入れようと試みたけど入らなくて、反対から再度入れたため、

時間がかかってしまい、首の傷口も2カ所に・・・。

 

手術室へ見送ってから約3時間で、娘に会うことができました。

 

予定時間をすぎてからの時間はすごく長くて、何かあったんじゃないかととても不安でした。

 

 

無事に帰ってきてくれて顔を見てほっとしました。

 

 

しかし、まだぼんやりしているところに、カテーテルが入ってるところからの出血が止まらず、

たくさんの人に囲まれて病室で圧迫処置をされたのですが、痛いのと、覚醒したばかりで少し混乱もあったのでしょう。

 

 

娘が産まれてからあんなに泣いて取り乱すのを初めてみました。

 

大声で泣きながら

 

「痛いからもうやめて!触らないで!

いっつも、もうしないって、これでおわりだよって言うのにおわらない!!

みんなうそばっかり!もういやだ!

ずっと我慢ばっかり!もうおうち帰りたい。帰らせて!」

 

 

混乱している中でしたが、それは娘の本音だったと思います。

娘の言うことは、何一つ間違っていなくて、全部その通りで娘の気持ちが痛いほど伝わり、涙が止まりませんでした。

 

 

 

これで最後だからね、これだけ我慢したらもう今日はしないからね、と言いながら何度も針を刺されたり、

じっとしていたら押さえないからね、と言いながら結局暴れてもいないのに先に押さえつけられたり

 

娘は暴れたりしない、話せばわかると、何度か看護師さんたちには伝えてきましたが、

なかなか信用できないのか、万が一、と言うことを考えてか、押さえつけて余計に恐怖心が出て怖がるようになったり

 

採血もこれで終わり、と言いながらもやっぱりもう1回させて、と言われたり、

これで終わりだと言うからなんとか頑張ったのに・・・・と、声を殺してポロポロ涙を出しながら耐えることもよくありました。

 

 

訳も分からず突然の入院から、大きな手術、きつい治療、連日の検査や体調不良、

親の私だって理解も気持ちもなかなか追いついていないのに、本人はもっとでしょう。

それでも、頑張ってくれていた娘ですが、張り詰めていた糸がプッツリと切れたのです。

 

 

娘のそんな姿を、私の横で黙ってみていた担当の先生は

まだ、末梢の点滴を外したりする処置が残っていたのですが、

 

一旦引きましょう、急ぐ処置は終わったから残りは娘ちゃんが落ち着いてからにしましょう

 

と言ってくれたので、そうしてくださいと、言いましたが、

看護師さんがそれを無視し、点滴を外す処置をやめてくれませんでした。

 

 

この時処置をしていた看護師さんは、娘のプライマリーさんでした。

 

 

僕が娘ちゃんの担当になりました、よろしくお願いします。

と言われた日から、何のための担当なのだろう?と思っていました。

担当だからと言って娘に寄り添いにきてくれるわけでも、ほかの看護師さんよりも関わりが多いわけでも何でもありませんでした。

 

 

日勤や夜勤で担当してくれるその日の担当さんと何が違うんだろう?

と思うほど、本退院するその日まで、一切プライマリーさんらしいことは何もしてもらっていませんし、

娘がどんな子なのか全然知らないと思います。

 

 

プライマリーさんに当初からモヤモヤはありましたが

この日、親の私が初めて見るくらい泣いて取り乱す娘を見ても、

先生が一旦落ち着いてからにしましょうと言っているのを無視して自分の仕事を淡々とこなす姿をみて、

すっごく腹が立ちました。

手術から帰ってきたのが16時頃で、そこから圧迫処置をしたりしていたので勤務交代などの都合があったのでしょう。

 

本当にガッカリしたし、腹立たしかったです。

 

 

この出来事が、私の中で大きな不信感になりました。

 

プライマリーさんとこれをした、こんな話をした、などと話している他の方をみて、我が子のことを一緒に考えてくれ、支えになってくれる人がいて羨ましいと心から思いました。

 

 

 

 

 

私は、娘が泣いていて不満を口に出しているのを止めたりなだめたりせずに見守りました。

 

普段不満を口に出さない娘がいつもどんな気持ちで頑張っているのか、ここにいる先生や看護師さんに聞いてもらったらいいと思いました。

今まで言えなかった事を吐き出して、少しでも娘の心が軽くなるといいと思いました。

 

ただただ、いやだ、と処置を嫌がるのなら、なだめていたと思うけど、本当に心からの叫びで間違ったことや勝手なことを言っているのではなかったから。

 

 

みんながいなくなった後、

 

「よく言えたね。ちゃんと自分の気持ちが言えてえらかったよ。娘ちゃんが言っていることは何も間違っていない。

全部その通りだと思ったよ。いっぱい我慢ばかりさせていてごめんね。

今日は手術もがんばってくれてありがとう」

 

 

ベッドで一緒に横になり、娘をなでながら静かに言いました。

 

うん、うん、とうなづきながら聞いてくれ、娘の気持ちも落ち着き

いつもの娘になりました。

またきっと色んなことを諦めたのだろうと思いながら、お話しました。

 

 

 

次の日、取り乱した娘の姿をみていた担当の先生がきて

 

 

「胸にグサグサ刺さりました。

 

言い返す言葉もない。娘ちゃんの言っていることは本当にその通りで。

 

娘ちゃんごめんね。

辛い治療や検査は、これからもあるし、それは頑張ってもらいたいんだけど

先生は、娘ちゃんの気持ちがよくわかったから、これから娘ちゃんをガッカリさせないようにがんばるね」

 

 

と言ってくれました。

 

主治医は男の先生なんですが、担当医は女の先生で、本当に優しくて明るい先生で、

娘も態度には出しませんが実は大好きです。

娘の性格をよく理解してくれているし、私も主治医に聞きにくいことをこの先生に聞いたりします。

 

娘の訴えをわかってくれる人がいた、とうれしかったです。

 

 

 

止まらなかった出血は、1晩圧迫し、おさまりました。

 

無事にカテーテルを再挿入することができたので、翌日はカテーテルからのケモです。

 

 

ケモのあと、私が朝食のためにベッドを離れている間にカテーテルの消毒をしにきた看護師さんに

また押さえつけられて泣いている娘なのでした。

 

私が病室に入ると、押さえていた看護師さん2人が何も言わずにササーっと出ていきました。

 

忙しいから、娘が納得するまで待てないのかもしれません。

でも、ちゃんと話せば嫌でもしなければならない事はわかっているから泣きながらでも娘は大人しくさせてくれるのに。

そもそも、泣いても暴れたりしないのに、どうしてわかってくれないんだろう。

 

 

ガッカリした2日間でした。