5-6.ドミナント・セブンの継続等
5-6-a.ドミナント・セブンの継続
以下のように、あるトニックのコードに向かって、ドミナント・セブンス・コードを逆算してつけていってみましょう。
・C# → F# → B7 → E7 → A7 → D7 → G7 → CM7
この進行を、終点であるCM7から逆に見ていくと、ドミナント・モーションを形成するために前のコードをつけていることがわかります。
元々メロディが存在するところにこのようなコード進行を用いることは難しいかもしれませんが、コード進行論としては重要なアプローチで、このような進行に合わせて後付けでメロディをつけたり、エンディングの進行に用いたりなどの実践方法があります。
5-6-b.継続するドミナント・セブンの代理コード
継続するドミナントにも、ドミナント・セブンの代理コードを用いることが出来ます。
・CM7 → B7 → E7 → A7 → D7 → G7 → CM7
を、以下のように、
・CM7 → F7 → E7 → E♭7 → D7 → D♭7 → CM7
と、5-3-aで解説したドミナント・セブンの代理コードを用いると、F7からルート音が半音下降する進行を作ることが出来ます。
5-6-c.継続するドミナント・セブンのⅡm7-Ⅴ7の分割
Ⅴ7やセカンダリー・ドミナント・セブンをⅡm7-Ⅴ7に分割出来たように、継続するドミナント・セブンもⅡm7-Ⅴ7に分割することが出来ます。
・CM7 → B7 → E7 → A7 → D7 → G7 → CM7
のドミナントをⅡm7-Ⅴ7に分割すると、
・CM7 → F#m7・B7 → Bm7・E7 → Em7・A7 → Am7・D7 → Dm7・G7 → CM7
となります。
ツー・ファイブという考え方が、いかにコードの展開にバリエーションを与えるか、おわかり頂けるでしょう。
5-6-d.代理コードを用いた継続するドミナント・セブンのⅡm7-Ⅴ7の分割
5-6-b.で見た、代理コードを用いたドミナント・セブンの継続である、以下の、
・CM7 → F7 → E7 → E♭7 → D7 → D♭7 → CM7
という進行のドミナント・セブンも、もちろんⅡm7-Ⅴ7に分割可能です。
・CM7 → Cm7・F7 → Bm7・E7 → B♭m7・E♭7 → Am7・D7 → A♭m7・D♭7 → CM7
5-6-b.の代理コードを1つおきに使ったドミナントの継続はドミナント・セブンが半音ずつ下降する形になっていたので、それをⅡm7-Ⅴ7に分割しても、やはりⅡm7-Ⅴ7が半音ずつ下降する進行となります。
5-6-e.Ⅱm7-Ⅴ7の継続
5-6-a.で説明した逆算の発想を、Ⅱm7-Ⅴ7に応用してみましょう。
・Cm7・F7 → B♭m7・E♭7 → A♭m7・D♭7 → F#m7・B7 → Em7・A7 → Dm7・G7 → CM7
CMに向かって、、Ⅱm7-Ⅴ7を継続させました。
Cの前にDm7・G7、Dm7の前にEm7・A7、Em7の前にF#m7・B7…という具合です。
次回は、コードパターンの発展について解説いたします。