さて、講義の内容も少し難しい段階に入っていますので、ここで一服、音楽とは全然関係ない、ディズニーランドのアトラクションにまつわる話を書きます。


最後に滝壺にずどーんと落とされるディズニーランドの人気アトラクション、スプラッシュマウンテン。



楽譜要らずのポピュラー音楽理論

この前ランドに一緒に行った子にもちょっと話したんだけど、このアトラクションに原作となる映画が存在することは意外と知られていません。

スプラッシュマウンテンは、「南部の唄」という1946年のアメリカ映画が背景になっています、が、話中の黒人主人公が差別的に描かれているため、今はもう観られません。

その映画の中の、「うさぎときつねの話」というおとぎばなしが、スプラッシュマウンテンのもとになっています。

うさぎが主人公、いたずら好きのチンピラで、どこかに「笑って暮らせる笑いの国」がないかを探している小悪党です。

きつねは、そのうさぎを捕まえて食べようとしている。

くまもうさぎを食べたがっているが、彼はお人好しでのろま。

うさぎは2度捕まります。

最初は、きつねの罠にはまって吊り下げられます。

そこへくまがやって来て、「何してるの」と聞くので、「1分1ドルでカカシの仕事をしてるんだ、代わってやろう」と騙し、罠から抜け、代わりにくまが吊り下がる。

もう1度は、うさぎがコールタールの人形にあいさつしたのに返事がないので、生意気だと殴ったら(このへんがチンピラ)、手が抜けなくなって捕まってしまう。

これもきつねの罠です。

ロープでぐるぐる巻きにされるうさぎ、そのうさぎの姿は、スプラッシュマウンテン最後の長い登り途中で見られます。

きつねが、火で焼くか、皮を剥ぐかと殺し方を迷っていると、「どっちでもいいけど、あのイバラの森にだけは投げ込まないで」とうさぎが懇願する。

きつねは、ははーん、じゃあイバラの森に放り込んでやろうと、うさぎをイバラの森に投げ込みました。

スプラッシュマウンテンの最後の急降下は、うさぎがイバラの森に放り投げられるシーンの再現なのです。

なので、船が落ちた先もイバラの森、今度確認してみてください。

やった、と思ったきつね、しかし、イバラの森は実は、うさぎが生まれ育った場所だったのです。

「ここはおいらが生まれ育ったところさ」と高笑いしてもとの家に戻って行ったうさぎ、まんまとうさぎの口車に乗せられ悔しがるきつね、とまあこんな話です。

スプラッシュマウンテンの落ちた後の舞台はうさぎの家になっているはずです。

何気なく乗っていたアトラクションにも、実は根拠となる映画があったりします。

そしてスプラッシュマウンテンの原作は、恐らくディズニーのアトラクションの中でも最も知られていません。



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