4-3.四和音(セブンスコード)
続いて、四和音(セブンスコード)について解説します。
四和音とは、
「三和音に、ルート音から7度上の音を足したコード」
です。
以下のようなコードネームで示されます。全てルートをCとするコードを例示します。
・C7
・Cm7
・CM7(C△7)
・CmM7(Cm△7)
4-3-a.「C7」「Cm7」とはどのようなコードか
この2つのコードネームはそれぞれ、「シーセブン」「シーマイナーセブン」と読みます。
そして、これらのコードは総称して「ドミナントセブンスコード」「マイナーセブンスコード」と呼ばれます。
四和音が、「三和音+7度音」のコードであることは上記のとおりであり、「C7」「Cm7」の基礎となる三和音はそれぞれ、「C」「Cm」です(その構成音については4-2.参照)。
つまり、考察すべき点は、それぞれのコードネームが示す「7」の音ということになります。
「四和音のコードネーム中、単に「7」だけが付けられていたら、それはルートから短7度上の音を示す」
この表記上の法則をしっかり覚えてください。
以上のことより、
C7…「ド・ミ・ソ・シ♭」
Cm7…「ド・ミ♭・ソ・シ♭」
というコードを示すことが解ります。
4-3-b.「CM7(C△7)」「CmM7(Cm△7)」とはどのようなコードか
この2つのコードネームはそれぞれ、「シーメジャーセブン」「シーマイナーメジャーセブン」と読みます。
大文字のMは、△で表記することもあり、両者は同義です。
そして、これらのコードを総称して「メジャーセブンスコード」「マイナーメジャーセブンスコード」と呼びます。
これらのコードの構成音はもうある程度察しがつくでしょう。
「四和音のコードネーム中、M7(△7)は、ルートから長7度上の音を示す」
ということです。
つまり、
CM7(C△7)…「ド・ミ・ソ・シ」
CmM7(Cm△7)…「ド・ミ♭・ソ・シ」
ということになるわけです。
注意すべきは、3度音の場合は、「m」を付けることによりその3度音が「短」音程であることを示すのに対し、7度音の場合は、「M7(△7)」を付けることによりその7度音が「長」音程であることを示す、ということです。
いわば、原則と例外が逆転しているということです。
ただ、以上の点だけ留意しておけば、ここまでの基本的な三和音・四和音のコードネームは全て読解可能となります。
それでは、実際に四和音のコードネームを読む練習をしてみましょう。
1:F7
2:Gm7
3:A♭M7
4:E♭mM7
(回答)
1:F7…「ファ・ラ・ド・ミ♭」
2:Gm7…「ソ・シ♭・レ・ファ」
3:A♭M7…「ラ♭・ド・ミ♭・ソ」
4:E♭mM7…「ミ♭・ソ♭・シ♭・レ」
4-3-c.「7度音」の役割
コードは三和音が基本ですので、曲中に四和音を用いるか、つまり7度音を用いるかどうかは、曲調や場面、さらには演奏者や作編曲者の好みに依存するものであり、また、7度音が長音程か短音程かの違いは、3度音ほど劇的なコード感の変化をもたらすものではありませんが、メジャーセブンスコード(CM7等)は、「都会的・洗練・繊細」といったイメージを想起させます。
非常に美しい響きで、A.O.R.やフュージョンなどのジャンルで特に多用されます(他方、ロックや演歌などにはあまり用いられません)。
このあたりは、アレンジ段階でのコード付けの場面において重要な感覚であると言えます。
また、「ドミナントセブンスコード」(C7等)は、コード進行の理解においてポイントとなるコードです。
これについては後述します。
なお、「マイナーメジャーセブンスコード」(CmM7等)は、クリシェというコードアレンジ(後述)を施した際に主に用いられるややテクニカルなコードで、使用頻度は高くありません。
次回は、5度音が変化するコード、ディミニッシュコード等の解説に入ります。